何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

りんご飴は比較的容易に作れるらしい

dailyportalz.jp


 例によってお題と記事は関係なく、かつて河北町のクラッカーさんでデコシャルを食べたとき、チョコバナナはまずバナナがおいしくないとおいしくないと気づきました。クラッカーさんのデコシャルは装飾もさることながら、それ以前にいいバナナを使ってるから旨いのだと。
 同様にりんご飴マニアに言わせてみれば、りんご飴もりんごがおいしくないとおいしくないのだそうです。クラッカーさんとか街中やおやさんあたりでいいりんご使ったりんご飴とか作ってくれないものかしら。


 とりあえずメモがてらコストコ通で見たりんご飴の作り方。


costcotuu.com

新春1行プログラム祭り(おい)

「ぎゃあ!!レーザーだ!!!」

 ファンダムのめぼしい作品は旧年中にすっかり入力しています。しかしMファンに掲載されたプログラムはそれだけではありません。90年代初頭の号には、1行プログラムがいくつか掲載されています。
 というわけで元日のつれづれに任せて未入力の1画面プログラムをいくつか入力してました。というわけで本日は入力したMファン1行プログラムのご紹介。

ひたすらレーザーをかわそう。グラ2にこんなボスいたよな。

 1本目「ぎゃあ!!レーザーだ!!!」(92/2)。MSXユーザーなら誰しもコナミの「グラディウス」シリーズはやったことがあるでしょう。ビッグコアとかミスフィッツ艦が放つレーザーを隙間でくぐり抜けるなんて展開もおなじみのはず。というわけで本作はそれを1行プログラムで再現したゲームです。
 自機はおなじみドットバイパー。ヨッパライ式に上下する自機を操作し、画面左から飛んでくるレーザーをかわしましょう。ぶつかったらゲームオーバー。かわした回数が得点です。
 ゲームにはスクリーン3を使用しています。そのおかげでドットが大きく見やすく、見栄えや遊びやすさが向上しています。さすがに表示は滑らかではありませんが、むしろ1行でこれだけやっているのだからもう十分すぎます。

「ワクワクゲーム」

 2本目「ワクワクゲーム」(92/2)は微妙なコントロールが物を言うアクションゲームです。画面左に赤い枠が表示されています。自機はその中のドット。枠は震えながら画面下に移動します。そこからはみ出ないよう自機を画面下まで導きましょう。使うのはスペースキーのみ。スペースキーを押すとドットが下降します。しかし押し続けていると加速してあっという間に枠からはみ出てしまいます。アクションゲームとかでよく見る動く足場とか浮き石のギミックを彷彿させますな。

ゴールは目前。ここに来るまでどれだけ失敗したことか(泣)

 コツは枠の動きに同調して、少しずつキーを押すこと。しかし微妙な長さに反応し、少しだけ押したつもりがすごい勢いで飛び出しゲームオーバー、なんてことがあたりまえです。この微妙なキー操作を必要とするところが、ゲームをイヤらしくもおもしろくしています。

「GREEN WALL操作監

 3本目「GREEN WALL操作監」。先日紹介した「GREEN WALL」の作者さんによる姉妹編とでも言うべき作品です。「GREEN WALL」同様、穴の空いた壁が上の方から降りてきます。その下からはまた壁がせり上がってきます。プレイヤーは下の壁を変形させ、迫ってくる上の壁をやりすごしましょう。
 下の壁を通過させるためには、上の壁とぴったり組み合う形にしなければなりません。壁の形は8通り。変形にはカーソルキーを使います。カーソルキーの8方向が、それぞれ一つのパターンに対応しています。上の壁の形を見て、それに対応するパターンのキーを押せば、一瞬で変形が完了します。操作が明快でよいですな。
 しかしながらどのキーがどのパターンに対応しているかを覚えないと、瞬時に正しく変形してやりすごす、ということはなかなかできません。オリジナルの「GREEN WALL」同様、なかなか難しいゲームです。
 本作の本質はいわば「旗揚げゲーム」です。それを瞬時に壁を組み合わせるゲームに置き換えたことで、目新しさが出ています。さらにそれを1行で実現したところにやはり驚愕!

「避雷針」

 4本目「避雷針」(92/7)。画面下の避雷針を動かし、上から落ちてくる雷を受け止めましょう。受けられなかったらゲームオーバー。それまで受け止めた回数が得点です。雷はジグザグに落ちてきます。スピードも速くおまけに避雷針が小さいため、受け止めるのはなかなか大変です。

がんばって8点獲得。作者さんのハイスコアはなんと21点!

 その挙動ゆえ、雷の動きは読みづらいです。地面に到達する直前まで、どこに正確に落ちるかはわかりません。ですので落下地点を予測することよりも、動きを見て即座に落下地点まで動ける瞬発力と、正確なキーさばきが求められます。編集部も激ムズと認める難易度だけに、続けざまにキャッチに成功すると痛快な気分が味わえます。

「TYPE MASTER 速打マン」

 5本目「TYPE MASTER 速打マン」(92/7)。タイピングゲームです。画面左からアルファベットが飛んできます。右端に到達する前に同じキーを押して撃墜しましょう。
 アルファベットの飛び方がよくできています。現れるなり加速しながら右側に飛んでくるというもので、早く押さねば!と気分が焦ります。しかし難易度は低め。普通に遊んでいる限り、ゲームオーバーになる気がしません(おい)。
 文字数の都合で、初期化処理がプログラムに収まっていません。ですのでプログラム実行前にはCAPSキーをロックした状態で「SCREEN0:WIDTH40:KEYOFF」を実行しておきましょう。

牛歩戦術

 6本目「牛歩戦術」(92/9)は、国会等議事採決に着想を得たアクションゲーム。採決を遅らせるため、なるべくゆっくり投票箱にたどり着きましょう。スペースキーを押すと、投票箱に向かっている議員の歩みを遅らせることができます。ただし押しっぱなしにすると、じれてかえって早足になってしまいます。少しずつだましだましスペースキーを押す加減を見極めるのが、牛歩成功のコツです。

55分を記録。ゲームだから批判もされないぜ

 何もしないと議員は20分くらいで投票箱にたどり着いてしまいます。荒井は何度かやってみて、1時間に近づくところまでスコアが伸びました。うまくなれば1時間以上は長引かせられそうです(おい)。

「N-DRIVE」

 7本目「N-DRIVE」(93/1)。MSX2以上用。なんと3Dレーシングゲーム。車を操り、奥から迫ってくる道からはみ出ないよう、ひたすら走り続けましょう。赤いドットが自車です。左右の草むらに突っ込むとゲームオーバー。左右の移動には慣性が付きます。勢い余らないよう、抑制した動きをするのがコツです。
 1行ながら奥から道が迫ってくるかんじが出ています。動かしてみると、想像以上に立体感があります。スピード感も十分。よく1行でこれだけやったな、と感心してしまいました。

"PRINT A"でスコアを表示。結果発表はセルフ式だ。

 1行でこれだけやったため、スコア表示処理が収まっていません。スコアが見たければゲームオーバー直後に「PRINT A」を実行しましょう。


 1行プログラムはファンダムではなく、掲載作品の選考の様子や、プログラミングに関する読者の疑問等を採り上げたコーナー「ファンダムスクランブル」に掲載されました。ですので付録ディスク等には収録されていません。というわけで同コーナーから拾っては入力する必要があったのでした。
 というわけで今年も正月からMSXプログラムネタでした。今年もいろいろ入力したいもので。

ちなみにこいつがミスフィッツ艦な

だいたい毎日入力13周年

180本。集合画像を作るのが大変だったぜ

 というわけであれから1年今年もなんとかかんとか生き延びまして、このエントリを書く日となりました。おなじみMSXプログラム毎日入力活動も13周年。始めた頃に生まれた子供さんが小学校を卒業して中学校に上がるくらい続けてます。荒井のおじちゃんもいつの間にやら当時のNu~さんの年齢を超え、ジジイに片足を突っ込みつつありますが、やってることは中学生当時と変わらずです(泣)。
 さておき、今年は未入力だったファンダム作品を全て入力することが目標でした。最終的に入力した数は180本。13年目にして100本超えどころか200本に迫る快挙です。野球選手だって年間100本のホームランはよほどでなければ打てませんぜ(おい)。


 こんなに入力できたのは、入力に使っていたソフトを改めた結果です。これまではOCRソフト「読んde!!ココ」を使って取り込んだリストをTeraPad上で修正し、blueMSX等のエミュレーターにロードして仕上げるという手順を踏んでいました。それをペーパーウェア入力用として定評のあるProgramListOCR(eighttailsさん作)とDumpListEditor(bugfire2009さん作)に置き換えたところ、入力とデバグ効率が劇的に向上。特にDumpListEditorでは、TeraPadでは入力できないMSX専用文字を直接入力できるほか、強力なチェック機能*1を備えており、エミュレーターを起動する前にプログラムを仕上げることが可能となりました。おかげでこれまで1本数日かけていたN画面プログラムの入力が一日二日で完了するほど。入力する本数にレビューが追いつかないという状態でした(おい)。便利なソフトウェアを制作してくださった両氏にこの場で感謝申し上げます。


 実は購読当時、ファンダム作品はあまり入力してませんでした。荒井はパソコン通信「ザ・リンクス」に加入していたため、めぼしい作品はダウンロードサービスで労せず入手できたのです。まともにファンダム作品を入力したのは、本当にMファンを購読し始めてから1年足らずぐらいの間と、ここ10年くらいのこと。ただし全ての作品をDLできたわけでもないのは、これまで何度か言及しているとおりです。付録ディスク開始以降のプログラムはHDD上にすでに全て移行済み。残る未入力ファンダム作品のサルベージは、永年の課題でありました。

「BUBBLE BALL」(89/2)とそのリスト。
こんな書法が発達したのも規定画面数に収めるため

 ファンダム作品を俯瞰して驚くのは、その品質の良さです。総掲載本数が1000本を超えているにもかかわらず、大ハズレというものが(皆無ではないものの)ほとんどありません。あらかたの作品が一定の品質を保ち、相応に遊べます。市販ソフト級のログインは別格として、玉石混淆のベーマガ、当たり外れの差が激しいポプコムに比して(おい)、これだけ粒が揃っていることは驚愕に値します。
 改めて入力してみますと、ファンダム作品は詰め込みが並ではありません。1画面プログラムは1行の上限255字近くまでステートメントを連ねるのが常ですし*2、それはN画面プログラム以上の中・大規模プログラムも同様です。入力していて「1画面プログラムでもないのになんでこんなに1行が長いんだ?」とぼやいたことは数知れず(おい)。
 それはおそらく、Mファンが文字数ではなく、リストの長さで掲載プログラムを区分していたためでしょう。ファンダムの1画面プログラムをベーマガでDr.Dが推奨する書き方に直せば、1画面には収まりません。1万字程度のプログラムを10画面に収まるようにするためには、10画面に収めるための書き方が必要となります。詰め込む書法は手入力のしづらさや可読性の悪さというデメリットでもありましたが*3、一方で作品の密度を上げることにつながっていました*4
 ファンダム作品の基礎には、その密度の濃さがあるのだとおもいます。そしてそれだけの品質を維持し続けた編集部の審査眼。規模の大小にかかわらず、ファンダム掲載作品には「この程度でいいか」という妥協がありません。密度の濃さとそれに見合う作り込み。それこそがファンダム作品の特徴であり*5、他誌の作品とは異なる雰囲気を生み出しています。





 今年は相当な数のプログラムを入力しました。その中で一番印象に残っているのはやはり「タコ&イカ」です。入力から動作確認、レビューに至るまで全てが楽しみでした。目新しさこそないものの、全てが高品質であるゆえに名作たり得ているという、ありそうでちょっと見かけない「スーパーノーマル」な逸品です。他は「ICE MAN」。一見地味ながら、「タコ&イカ」とともに難易度や操作性といった基本的な部分の大切さを再認識させられた作品でした。
 あとバカバカしさで「PYRAMID」と「MSXでメガドライブする」。どちらも愉快な作品です。音楽プログラム「オリジナル37」は、以前どこかで聴いたことがあるとおもったら、音楽館ベストとして付録ディスク第1号に収録されてたことが後で判明しました(汗)。「トラ番記者のTAKE A CHANCE」あたりも、抽象化の巧みさに大いに感心させられました。
 他は数がありすぎてあんまりおぼえていないんですが(おい)、むしろ作者さんの方で印象に残ってます。技術のみならずエスプリの効いたNu~さん、動きで魅せることに気づかされたSILVER-SNAILさん、ユニークな着眼点とそれをゲーム化する手法が見事なきうちヤスシさん、安定の山下オサムさんなどなど。名手はやはりひと味違うと感心させられました。


 未入力のファンダム作品をすっかり入力したことで、これにて「FOR MSXスペシャル」から、プロポシェを経てMファン休刊に至るまでの徳間系MSXプログラムがあらかた手元に揃うこととなりました。今年は毎日入力史上最高本数を記録したので、来年はもっといろんな雑誌のプログラムをゆっくり入力してじっくり遊んでみようかとおもってます。それとは別にチョウカイフスマ見に行きたい(おい)
 ファンダム作品はあらかた入力しました。しかし、まだMファンプログラムを全て入力したわけではありません。AVフォーラムや音楽館等のプログラムへの要望があってもまた入力するかは…ロックでもやりながらかんがえてみます(おい)。


 最後に例によって今年入力したプログラム180本一覧。ほぼ2日に1本というペースです。ひたすら入力した甲斐あって、見事目標達成だ!


1:MINI JUMP
2:ALPHABET
3:ラーフ
4:わなげーむ
5:人工衛星
6:シャッター
7:ウニウニ
8:Q-BAN
9:ON THE WAY
10:U-BALL
11:100m走
12:くさとりアルバイトおNEW
13:Fighting Plane-X
14:ANNOYANCE
15:おーたらいと
16:PYRAMID
17:GRYB
18:パンダーバード
19:ポケットファイアー
20:とばし屋コンテスト
21:TAL-GUN
22:ろみんくる棒倒し風味
23:くきぃ~っ!
24:サテライトI
25:ひらめき
26:JUMP BALL
27:LINE BATTLE
28:カミカゼ
29:mini SOLID GOLF
30:GOLF LAND
31:ゴムボール
32:鉄球
33:ジャパニーズビジネスマン(円の奇跡)
34:対戦型1人でも遊べますガンマン
35:3D BATTLE
36:コプ太くんの着艦訓練
37:HI-WAY
38:ぱーちゃん
39:照明弾
40:PONBALL
41:MSXでメガドライブする
42:かみなりの町
43:JUMP BATTLE
44:ブーメランでまっぷたつ
45:SOUND SUIJAKU
46:NUMO
47:高速回転寿司
48:VULCAN
49:地獄道
50:PYON PYON
51:どこまでつづいていくのかな
52:200年カレンダー
53:DOWN DRAGON
54:Guln Guln
55:Down Down Down
56:賭け
57:サテライト3.3
58:星座占い
59:FUNCTION
60:EYES
61:川の流れのように
62:3もくならべ名人戦P
63:黄色の珠玉
64:青赤戦
65:PUSH PICK
66:かに道楽
67:オリジナル37
68:MISSING LINK
69:LAST LONG
70:ぴろぴ~ろ
71:けんけんぱー
72:Green Slime
73:けんだま
74:Colosseum
75:階段を登ろう
76:ちぢんでポン!
77:KG-SP
78:DRIVE気分
79:DRIVE気分turbo R
80:STRAWBERRY ISLAND
81:Activity for Employment
82:UFOなんちゃくりく
83:HIGH&LOW
84:立体三目並べ
85:若さでATTACK
86:PALMAN
87:妖城伝
88:SABOTEN
89:ベーゴマ
90:100M競争
91:JIG・PUZZ
92:OUT-VADER
93:ICE MAN
94:CRAZY ROAD'91
95:ひこーき
96:キセロゲル
97:TAR-BOT2
98:平面ルービック
99:PET FALL II
100:SUBMERGE
101:タコ&イカ~さらわれた友達編
102:潜水艦ゲーム
103:TANK BATTLE
104:オイルショック'91
105:CRACKS
106:CAR FIGHT
107:ぐりぐりSLIME
108:中西の挑戦
109:インスタント床
110:巨大怪獣バルン
111:THE POINT CHANGER
112:トラ番記者のTAKE A CHANCE
113:中和~BTB溶液の性質~
114:Sim Face
115:つりぼりやさん
116:神秘の天宮図
117:SLEEP STAR
118:STOP! TRAIN
119:いもむしすたすた
120:最後に笑うのはわ・た・し
121:HEBI-P
122:ひとりテニス
123:RGB
124:GO!GO!わたる君
125:くるくる
126:SOLE HOLE
127:バウンド
128:まとっ
129:BEN BALL
130:三十人綱引き
131:階段10x2
132:BASKET BALL
133:SKELTON
134:妖城伝II~浮遊城之巻
135:ぶよよん
136:CLICK IT
137:ANALYTIC COLOR
138:風船を飛ばそう
139:危険地帯
140:プーゲ星人
141:GREEN WALL
142:RETORT OF SLIME
143:CAR RACE
144:気孔法
145:Difficult Landing
146:PLAY WITHOUT PREJUDICE VOL.1
147:M-FIGHTER
148:RUN RUN RUN
149:大回転
150:ポンポン突撃隊
151:超隕石
152:しかく
153:みえないめいろ
154:TOPPLE V2
155:BEAM SHUTTER
156:バルーン
157:アシカの修行
158:アシカの修行2~フープ抜け~
159:CRAZY ROOM
160:なわとびしよ!
161:青い地球に帰りたい
162:棒立て一番星
163:グルリン
164:トマホーク発射!
165:大宮操車場
166:RCホバー
167:YOPPARAI SPECIAL
168:THE BADMINTON
169:BOM
170:36
171:ファイター
172:カギを探せ!
173:Advantage P-1
174:ノック&ノック
175:秩序回復
176:並べ、ネコ達よ
177:PASTEL BALL
178:SKY DRIVE
179:目がまわるよ~!!
180:SORE FINGERS

ついでに今年登った山いろいろ。
どの山もおもしろかったが、不忘山が印象深かったな。

*1:Mファンのスペシャチェックサムプログラムと同等のチェックサムも表示可。

*2:1行に命令文を続けて記述する「マルチステートメント」は、BASICプログラミングにおいて、あまりするべきではないこととされていました。

*3:その最たるものが、文字の羅列によるマシン語表記法。

*4:今にしておもえばMファンがチェックサムプログラムを用意していたのは、読みづらさゆえのデバグの手間を省くためだったんだろうなとおもう。

*5:ひいてはプロポシェ等、他の徳間系プログラムの伝統でもあったとおもう。

今年車買ったぜ

お題「これ買いました」


fukenko.hatenablog.com


 やはり新車の軽トラ(おい)。便利なばかりか遊ぶのにもかなり良いです。それと軽トラ買ったと言うと、意外にうらやましがられることが多かったので、ささやかな優越感に浸れるという(おい)。新車を現金一括払いで買うという、年来の夢も叶えることができました。


fukenko.hatenablog.com


 あと山登り用のパンツ。夏の登山がめちゃくちゃ快適。もっと早く買っときゃ良かったぜ…

歳末一画面プログラム祭りファイナル~千秋楽

「Advantage P-1」

 ここしばらく別のプログラムばかり紹介してましたが、忘れたわけではないのです(おい)。というわけで歳末一画面プログラム祭りもいよいよ大詰め。本日はMファン91年8月号と同9月号より、残った作品全てを一挙ご紹介です。


 「Advantage P-1」(91/8)。これまたおなじみ「ハイパーオリンピック」系の連打徒競走ゲームです。この手の連打競争ゲームはあまりにありふれているため、他との違いを打ち出せなければ見向きもされません。やみくもに連打しても逆効果、というのもこれまたよく見る工夫ですが、本作はさらにもうちょっと工夫を加えています。
 本作のランナーはボタンを押しっぱなしにするだけで走ります。しかし押しっぱなしにしていると疲労で体が赤くなり、さらにそのままにしていると転んでしまいます。転ぶとしばらく動けなくなってタイムロスとなります。
 ですのでスムーズに走るには、ポン、ポン、ポン、とある程度の間隔をおきながらタイミング良くボタンを押しては離すという操作をすることになります。キャラクターのスムーズなアニメーションもあって、ひたすら連打するタイプの徒競走ゲームとはまた違う気持ちの良い操作感覚が味わえます。基本は2P対戦ゲームでありながら、一人黙々タイムアタックに挑むという遊び方もできるのも、ぼっちゲーマーにはありがたいですな(おい)。

「ノック&ノック」

 「ノック&ノック」(91/8)。ファンダムでは比較的見かけた捕球ゲームです。作者は「つりぼりやさん」と同じくTOMすけさん。二匹のカエルが野球のノックをしています。プレイヤーは捕球側のカエルを操作し、ノッカーが打ってくるボールをグローブに捕らえましょう。5球キャッチでラウンドクリア。全10ラウンドで一周です。逆に各ラウンド5回ミスするとゲームオーバーです。
 打球は様々な方向に飛んでくるのはもちろん、ライナーだったりゴロだったりと、飛び方にもバリエーションがあります。追いつかない場合はグローブを右側に出して捕球することも可能です。また、前の方でキャッチするほど高得点とか、ミスの回数が多いほどラウンドクリアボーナスが高くなるといった稼ぎ要素も実装。1画面ながらなかなか凝ってます。動作も至って快適。この手の捕球ゲームではハイレベルな作品です。

「秩序回復」

 「秩序回復」(91/8)。お堅い題名ですが、中身はいたってシンプルなパズルゲームです。画面左上に、1から9までの数字がバラバラに並んでいます。適宜順序を入れ替え、順番どおりに並べ直しましょう。
 カーソルで一つの数字を選ぶと、選んだ数字を中心にそれに隣接するいくつかの数字が、回転しながら対称に場所を入れ替わります。このときのスムーズなアニメーションが見どころです。

入れ替え中。数字はスプライトで表示している。

 この回転のおかげで、ルービックキューブテンビリオンのようなギミックの面白さが加わっています。ひたすら動かしまくって収拾がつかなくなっても、ボタン一つで初期配置に戻せますので、思い切りぐるぐるぶん回しましょう(おい)。

「並べ、ネコ達よ」

 「並べ、ネコ達よ」(91/8)。こちらも変わった題名を頂くパズルです。「3Lと5Lのバケツで4Lを計ってください」みたいな数学パズルをMSX上で再現したのがコレです。
 画面上に4つの枠があります。一番下の枠にはネコがいっぱいに入っています。枠の右側の数字は、その枠に収められるネコの上限です。枠から枠へネコを移動し、きっちり所定の数を量って並べましょう。
 ゲーム自体は古典的なパズル。安定感があります。ネコが移動する際の枠から枠へ飛んでいく演出が、楽しさを何倍にも増しています。

「PASTEL BALL」

 「PASTEL BALL」(91/8)。上から降ってくるパステルカラーのボールに横から白いボールを当てて軌道を変え、パステルボールを画面右側にある同じ色の箱にぶち込みましょう。パステルを見逃したり、当てても違う箱に放り込んだりすると即ゲームオーバーです。
 狙い通りにボールを入れるには、当てる場所が肝心です。そのためには的確なタイミングで白いボールを転がさなければなりません。ビリヤードかボウリングを彷彿させますな。少しでもズレればアウト。ポップな題名からはなかなか想像もつかないシビアなゲームです。荒井は2点がやっとだったぜ(泣)。

「SKY DRIVE」

 「SKY DRIVE」(91/9)。パラグライダーやスカイダイビングには、「アキュラシー」という競技があります。ポイントの中心にどれだけ正確に着陸できるかの精度を競うわけですな。ざっくり言えばそのゲームです(おい)。
 開始するとパラシュートでダイバーが降下するとともに、着陸ポイントが近づいてきます。ダイバーを操作して、ターゲットの中心に導きましょう。ターゲット中心からの距離が短いほど好成績。10回トライして、その合計点の少なさを競います。

まずまずの好成績。リアル競技は1cm単位の精度の戦いになるそうな。

 飛翔する自機をターゲットに導くという点で、やるべきことはNu~さんの「トマホーク発射!」とほぼ同じです(おい)。しかし味付けや見せ方で、雰囲気はがらりと変わります。あちらにはどこか戦争の緊張感が漂っているのに対し、こちらには平和にスポーツを楽しむといった趣があります。

「目が回るよ~!!」

 「目が回るよ~!!」(91/9)。変わった方式の2人対戦専用鬼ごっこゲームです。一人が鬼、もう一人が逃げる方です。鬼は相手を捕まえましょう。逃げる方はなるべく長く逃げましょう。鬼に捕まったら攻守交代。それぞれ鬼と逃げる方を担当し、長く逃げることのできたプレイヤーが勝ちです。
 変わっているのは、動きに制約があること。鬼も逃げる方も、画面中心を軸にして、ぐるぐる回ることしかできません。できる操作は半径を伸ばしたり縮めたりするのみ。鬼と逃げる方はそれぞれ反対方向に回っています。この制約が動きに面白さを与えています。
 対戦ゲームなので例によって十分遊べてませんが(おい)、缶蹴りやケイドロ、手つなぎ鬼等、ルールや動きをひねった鬼ごっこ遊びの楽しさを彷彿させます。

「SORE FINGERS―ナイフの達人」

 「SORE FINGERS―ナイフの達人」(91/9)。開いた手の指の間を鉛筆で順に突くなんて遊びは、男子なら誰しも小中学校で一度はやったことがあるでしょう。手が滑ると指に当たって痛いやつ。今ググったら、あれは「ナイフゲーム」とか「ピンフィンガー」とか呼ぶらしいですが、それをコンピューターゲーム化したものです。
 ゲームを始めると手の上をナイフが動き出します。指に刺さらないよう、間にナイフを突き立てましょう。成功すると背景に白い傷跡が付き得点です。ナイフは往復するたびスピードが上がっていきます。間違って手に突き刺してしまったら血がブシューッと噴き出てゲームオーバーです。かといって怖がってしっかり突かないと得点になりません。ナイフの位置を良く見てタイミングを計り、確実に背景を突き刺しましょう。

うぎゃあ!
痛そうなゲームオーバー画面。流血の大惨事だ

 リアルではとてもこんなことをする度胸はありませんし、こんな遊びをするほどアホではありません(おい)。しかしコンピューターゲームだったらいくらでも刺し放題。心ゆくまで遊べます。
 ついでにググってみたら、Appleストアのゲームアプリにもナイフ刺しゲームなんてのがありました。30年以上経っても同じことを考える奴がいるようです(おい)


 さて、パソコンがまだマイコンと呼ばれていた1980年代前半、コンピューターゲームとは自分で入力するものでもありました。ですからあまり入力の手間をかけずに遊べるショートプログラムには、少なからず需要がありました。できることなら入力は最小限に、それでいておもしろく遊べるゲームがいい。そんなところから1画面プログラムというものが始まったのだとおもいます。
 おそらく当時、様々なパソコン雑誌が1画面プログラムを取り上げていたとおもいますが、中でも力を入れていたのがMファンの前身、徳間書店の「プログラムポシェット」誌でした。自作プログラムの規格として「1画面」を設け、各機種用の1画面プログラムを募集し、毎号のように掲載していました。「MSX・FAN」の1画面プログラムは、このプロポシェ時代からの伝統を受け継ぐものです。

プロポシェ1画面プログラムの名作「恐怖の50秒」(No.4)。
秀逸な題名

 ゲームプログラミングとはマイコン時代の文化だったのかもしれません。Mファンが創刊された87年は、マイコンブームの中心だった8ビットホビーパソコンが最後の盛り上がりを見せていた頃です。80年代のホビーパソコン界を牽引した御三家ハードの失速に伴いゲームプログラミングという文化も衰退します。しかしその後もMSXでプログラミング文化が根強く生き残ったのは、専門誌Mファンが、自作プログラムコーナー「ファンダム」に力を入れていたことも大きな要因だとおもいます。プロポシェの流れを汲むファンダムでも1画面プログラムは一大ジャンルとして扱われ、あまたの作品がこの場から世に送り出されたのでありました。


 Mファンは1991年10月号より、付録ディスクサービスを開始します。以降の全てのファンダム作品はディスクに収録されることになり、(ディスクドライブを持っている必要はあったが)雑誌さえ買えば誰しも入力の労を執らずに遊べるようになりました*1。1画面に限らず、長大な作品も入力せずに済むようになり、遊ぶだけならリストの規模はもう考慮する必要がなくなりました*2
 しかしにもかかわらず、Mファンは最終号まで1画面プログラムを掲載し続けたのです。

「8192階建ての塔」(90/4)。ファンダム中期の忘れ得ぬ名作

 入力の手間は少なく、でも面白いゲームで遊びたい。当時のマイコンユーザーのそんな切実な欲求から生まれただろう1画面プログラムは、やがて「どうやって1画面に収めるか」「1画面でどれだけのことができるか」という方向に進化を遂げます。マルチステートメントや論理式の多用といった短縮化のテクニック、エッセンスのみを抽出するゲームデザインといった、1画面プログラムならではの様式は多くのアマチュアプログラマーを惹きつけました。そして1画面プログラムに挑戦することで様々な手法や技術、考え方を身につけます。いわば1画面プログラムとは、あまたの未来のプログラマーを育んだ腕試しの場。1画面プログラムこそファンダムの真骨頂である、と言っても過言ではないでしょう。

Mファン最後の1画面プログラムより「坂」と「BAR」(95/8)。
ファンダムは最後まで1画面プログラムを見捨てなかった*3

 さて、Mファン91年10月号以降のファンダム掲載作品は、以前付録ディスクより移行済みです。ですので荒井の手元にある未入力のファンダム1画面プログラムはこれにて払底し、全て入力したこととなりました。というわけでたびたび開催してきた「一画面プログラム祭り」。これにておひらきでございます…1画面プログラムよ、永遠なれ!

*1:テープ版「FOR MSXベスト50」や「ファンダムライブラリー」、ザ・リンクスでのDLサービス等々、徳間書店は付録ディスク開始以前から、入力せずに掲載プログラムを遊ぶ方法をいくつか提供していた。しかしいずれも読者全員がその恩恵に浴することができたわけでもなかった。

*2:実際、付録ディスク開始当時、もう1画面プログラムは不要でないかという声も、編集部にはあったらしい。

*3:「BAR」は1行プログラムです。