
正直に申し上げますが、実は荒井はパズルゲームがあんまり好みでありません(おい)。一番の理由は解くのに時間がかかるから。時間をかけてもクリアできる保証がないので、早く先が見たい性分の人間にはつらいのです。
しかし今回ご紹介する「ICE MAN」(Mファン91/2)は、そんな荒井が全面クリアしてしまったパズルゲームです。

本作はやはり「オーソドックス」な固定画面式サイドビューパズルゲームです。主人公「バッキー」を操り、画面内に散らばる黄金の鳥「フィガーホーク」を全て集めるのが目的です。
バッキーはジャンプも空中移動もできません。そのかわり任意の場所に氷のブロックを出すことができます。だからアイスマン。この能力を利用して足場を作り、うまいことフィガーホークを集めましょう。
一度出した氷は消すことができません。不用意に出しまくると手詰まりになります。ですのでフィガーホークを取る順番やフィールドの周り方を考えて設置するのか肝要です。お邪魔キャラも出現しなければ、時間制限もなし。ギブアップ機能やコンティニュー機能も完備で、思う存分試行錯誤が可能です。

本作はどこまでも「オーソドックス」なパズルゲームです。斬新なルールやゲームシステムがあるわけでもありません。しかし荒井が飽きることなく最後までやってしまったのは、ひとえにその難易度のおかげです。
Mファン編集部もコメントするとおり、本作はゲームバランスが非常によく取れています。簡単すぎることもなく、難しすぎることもありません。ちょっと考えて試行錯誤すれば、たちどころに解き方がわかります。パズルゲームとしてはぬるめの難易度かもしれません。ですがそのおかげで、パズルゲームの醍醐味とも言える自分の頭で考えて解く面白さが手軽に味わえるのです。ちょっとがんばれば次の面が拝めそうだ。そんな調子で遊んでいたら、いつの間にやらオールクリア達成してました。
全10面という、もうちょっと遊びたいというところで終わるボリュームも絶妙です。もしこれが30面も続くのであれば、中だるみして飽きてしまったことでしょう。

パズルに限らず、難しすぎるゲームはプレイヤーを選びます。かといって簡単すぎると達成感がありません。斬新なルールやユニークなゲームシステム以前に、気持ちよく遊べる難易度。ゲームを遊んでもらうために必要なことは、基本中の基本の部分にあるのではないか…ということを、この作品に突き付けられたような心地がするのです。
