何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

歳末一画面プログラム祭りファイナル~その1

TEIJIROさんの「PONPON」。
徳間系1画面プログラム初期の代表的作品だ。

 今年自らに課していた目標が「未入力のファンダム作品を全て入力する」ということでした。残っていたのは90年5月号あたりから91年9月号までの1年と4ヶ月分くらい。本数にして約160本。その大部分は1画面プログラムです。
 1画面プログラムとは、MSX1のテキストモード1画面分に収まる長さで書かれたプログラムのことです。スクリーン0に表示できる最大文字数が40桁x24行で960字。この制約内でどれだけのことができるか、プログラマーの腕前が試されます。1画面プログラムは特に徳間系パソコン雑誌が力を入れており、当然MSX・FANにも多数の作品が掲載されました。
 というわけで今年の秋あたりから入力していたMファン掲載1画面プログラムを、これから何回かに分けてご紹介いたします。題して「歳末一画面プログラム祭りファイナル」。途中何度か中断しますが(おい)、どうぞ最後までお付き合いを。

「STOP! TRAIN」

 「STOP! TRAIN」(91/2)は、ワンキー電車ゲームです。使うのはスペースキーのみ。スペースキーのオンオフで速度を調節して、電車をホームにピタリと停めましょう。うまくやらないと距離が足りなかったりオーバーランだったりで即ゲームオーバーです。制限時間は空の雲が画面左端に達するまで。雲は非常に早く流れるため、ゆっくり慎重に操作してもいられません。短時間で停車するほど高得点です。
 かなり簡易化した内容でありますが、微妙なブレーキ操作で定位置に停車させることが眼目という点で、後年のアーケードの人気作「電車でGO!」に通じるものがありますな(おい)

「いもむしすたすた」

 「いもむしすたすた」(91/2)は懸垂ゲーム。題名からは想像も付きません(おい)。プレイヤーは棒につかまって懸垂をしています。それを邪魔するかのように棒の上をすたすたとイモムシがうろつき回っています。近づいてきたら触れないよう、適宜手を棒から離してかわしましょう。イモムシに触れた手は棒から離れてしまいます。もう片手で掴んでいる限りは大丈夫ですが、両手を離してしまうと落下してゲームオーバーとなります。イモムシを避け続けるほど得点が上がっていきます。

イモムシに触れてあえなく落下。気まぐれな挙動が憎たらしい

 イモムシの挙動はランダム。小憎らしい上にやきもきさせられます。また、キー操作がやや、ややこしく、思い通りに操作できるようになるまで多少の慣れが必要です。とはいえゲームとしてはこれが正解でしょう。
 荒井の知る限り、懸垂を取り扱ったゲームはこれとかの迷作「ズルポコ大作戦」ぐらいのものです。ゲームバランスや操作性は「ズルポコ」よりもこちらの方が上ですが、遊んで楽しいのはやっぱり「ズルポコ」ですかね(おい)。

「最後に笑うのはわ・た・し」

 「最後に笑うのはわ・た・し」(91/2)。意味深なタイトルの二人対戦ゲームです。プレイヤーはそれぞれ青い枠と赤い枠を操作し、自分が操作する枠と同じ色のボールをゴールまで導きます。先にゴールに入れた方が勝ちです。プレイヤーは枠のある位置にブロックを出したり消したりできます。ボールはブロックに当たると向きを変えます。この習性を利用してボールの軌道を変えたり、相手のボールを邪魔したりするわけですな。

引き分けると突然3Pが現れる。親の総取り的気分(おい)

 勝負が付くと勝ち鬨がわり、勝った方がガハハと高笑いします。ところが双方引き分けに終わると、なぜかゲームマスターとおぼしき第三者が現れ、かわりに笑います。なるほど、題名の意味はここにあったのですな。

「HEBI-P」

 「HEBI-P」(91/2)は文字通りのヘビゲーです。しかし他のヘビゲーとはかなり違います。それというのもヘビが曲線状に移動するから。多くのヘビゲーでは、ヘビは上下左右に直角的に向きを変えて移動します。それに対して本作はラジコン操作式。左右旋回で滑らかな弧を描きつつ移動します。障害物に当たれば当然アウトです。
 一般的なヘビゲーと違い、よほど慣れないと狙い通りに移動すらできません。曲がりきれずに障害物に当たるなんてのはあたりまえ。しかしながらこの滑らかな挙動はなかなかクセになります。


 というわけで今回はMファン91年2月号の一画面プログラムのご紹介でした。次回は3月号掲載作品の予定です。