何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「PUSH PICK」




 荒井が好きな投稿作品に「トコちゃんシリーズがあります。その作者さんはMファンにもゲームプログラムを投稿していました。掲載された作品はいずれも優れたアイディアと遊びやすさを備え、「遊べる」ものが揃っています。今回ご紹介するMファン90年10月号掲載作品「PUSH PICK」も、同氏のそんな作品です。





 一言で言えば絵合わせパズルゲームです。画面中央に5x5のフィールドがあります。フィールド内にはパネルが敷き詰められています。これを適宜並べ替え、同じパネルを一列揃えましょう。揃える場所はどこでもよく、向きも縦横どちらでもかまいません。パネルの入れ替えはチェスのナイト式。カーソルキーで入れ替えたいパネルを指定し、スペースキーで決定です。
 これだけなら簡単すぎて、パズルになりません。本作の工夫はここからです。
 よく見るとフィールドの上下左右にも何枚かパネルがはみ出ているほか、カラフルな矢印が付いています。パネルは入れ替えただけで終わりではなく、その後矢印が指す列のパネルが、その向きに従ってスライドするのです。スライドする列は毎回変わり、どこの列がスライドするかは3手先まで表示されています。ですのでパネルを揃えるには、最後にずらされることを見越して入れ替えなければならず、このルールがパズルをより複雑にしています。5枚揃えてもこのスライドで崩されるなんてのはあたりまえ。実に小憎らしい仕掛けですな。

5枚1列揃ったところ。ルービックキューブで1面揃えたかんじの達成感(おい)

 一応最短ステップ数や残りタイムも設定されてはいますが、その手順内で揃えなければゲームオーバーというものでもなく、タイムにも十分な余裕があります。もちろん最短ステップを目指す遊び方もアリですが、あまり気にせずとも遊べます。このゆるさのおかげで、「つまんで押し出して」の試行錯誤を繰り返す遊び方が可能で、気楽に遊べるのがよいところです。むしろクリアを目指すより、なんとなく揃えてみようとなんとなくパネルを動かして、飽きたらやめるみたいなかんじ(おい)
 その感覚は、ルービックキューブをガチャガチャ動かして遊んでいる手触りにもどこか通じます…まぁ、さっぱり解けないけどな!(泣)