何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

Mファン91年1月号の1画面プログラムから

「PALMAN」

 1画面プログラムはすぐに打ち終わるのに、動作確認とレビューに手間がかかるので、数が溜まってしまいます(泣)。というわけで本日もMSXプログラムネタ。MSX・FAN91年1月号掲載の1画面プログラム4本のご紹介です。
 1本目「PALMAN」(パールマン)は変わった操作方法のアクションゲーム。主人公は某ナムコの黄色いアイツです(おい)*1。ドットイートに疲れた彼は、バカンスだとやってきた南の島でもエサを食べつつモンスターと追いかけっこを繰り広げることになったというかんじのストーリーがありますが、要は敵から逃れつつエサを食べまくるゲームです。

赤茶色の食べ物をパクリ。作者さんによると味は酸っぱいそうです。

 操るのは黄色いアイツではなく、ロールマンなるキャラクターです。スペースキーを押すとアイツのそばにバッテンが現れます。これがロールマン。スペースキーを押し続けると、アイツを中心にロールマンが回転します。離すと黄色い彼はロールマンがいた方向に向かって動き出します。これを利用して奴さんを誘導し、エサを食べさせましょう。黄色いアイツやロールマンがモンスターにぶつかるとアウト。それまで食べたエサの数が得点です。島の周囲は海面です。こちらに転落してもゲームオーバーなので気をつけましょう。ロールマンは反時計回りにしか回転しないので、基本反時計回りに動くとモンスターを撒きやすいでしょう。

衝突してやられたところ。ヒョロヒョロと海に落っこちるアニメもよくできてます。

 このとおり本作は移動に特徴があります。主人公を直接操作できないという「もどかしさ」と、上下左右のみならず細かな角度単位で誘導できる絶妙さを兼ね備えており、操る面白さが生まれています。
 ところで「ロールマン」の「ロール」はrollなんでしょうが、なのにタイトルは「PARMAN」ではなく「PALMAN」です。

「妖城伝」

 2本目「妖城伝」。主人公の忍者・海老丸を操り、足場を乗り移りつつ、ひたすら上へ上へと登っていきましょう。登るには足場に鉤爪を引っかけ、これをたぐります。城には妖怪が住み着いていて、これにぶつかると弾き飛ばされます。床の上に転落すればセーフですが、足を踏み外して画面外に転落したらアウト。それまでに登った階数が得点です。


 ゲームの趣旨はファンダムを代表する作品のひとつ、かの「8192階建ての塔」と同じです。本作ではジャンプが、鉤爪を投げるというアクションに置き換わっています。このおかげでよりギミック感が増し、「8192階建ての等」とはまた異なる面白さが出ています。

SABOTEN

 3本目「SABOTEN」。プラットフォーマーアクションです。サボテンを操り、強制スクロールするマップをどんどん右へ進んでいきましょう。穴に落ちると死にます。サボテンは絶えずジャンプしていますので、跳び越えるには踏切のタイミングを見計らって移動しなければなりません。一定距離を進むとステージクリアです。
 敵キャラとしてコウモリが出現します。サボテンですので頭のトゲで下から突っついてやると倒せますが、上から踏んづけるとこちらがやられてしまうので注意しましょう。
 以前紹介した「ラーフ」同様、1画面でスーパーマリオに通じる内容を実現しています。「踏む」のではなく、「突き上げる」ようにしたところが工夫でしょうか。先へ進むには地形のクリア方法や敵のあしらい方をパターン化する必要があります。それとは別に、やはり敵をやっつけられる仕様だと爽快感が上がります。サボテンチョップが炸裂(違)

「ベーゴマ」

 4本目「ベーゴマ」。ベーゴマ遊びをMSX上で再現したゲームです。フィールド*2上でベーゴマ回してをぶつけ合い、相手を弾き飛ばしましょう。飛ばされた方はストックこと残機が減ります。先に相手のストックをなくした方が勝ちです。
 リアルのベーゴマとの最大の違いは、独楽の動きをコントロールできることです。リアルベーゴマはフィールド上に投げ入れたら、あとは黙って眺めるしかできません。それが本作ではカーソルキーやスティック操作でベーゴマの動く向きをある程度調節できまして、相手に向かってぶつかっていったり、避けたりといったアクションが可能なのです。

勝利! WINの文字で称えてくれます。

 この時点でリアルなベーゴマとは相当に違うはずなのですが、独楽と独楽がぶつかり合う力強さや弾き飛ばす快感といった、ベーゴマの魅力はしっかりと、かつお手軽に味わえてしまうのです。
 始めたら後は見ているだけ、という点では以前紹介した「うるとらべえごま」の方がリアルに近いはずです。なのに、むしろこちらの方が実際のベーゴマ遊びに近いのだろうなと感じさせます*3
 本作は対戦ゲームではあるのですが、こちらがぶつかるのにともない相手の独楽も適当に動いてくれますので、ひとりでもおもしろく遊べます(おい)。作者はかのNu~さん。彼自身が「こんなにうまく動くとは思いませんでした」と語るほどよくできた快作です。

*1:版権大丈夫かww

*2:専門用語で「盆」とか「床」と呼ぶそうです。

*3:荒井はファミコンMSX世代なので、ベーゴマ遊びはやらずに育ったのです。ベーゴマよりベーマガ