ファンダムのめぼしい作品は旧年中にすっかり入力しています。しかしMファンに掲載されたプログラムはそれだけではありません。90年代初頭の号には、1行プログラムがいくつか掲載されています。
というわけで元日のつれづれに任せて未入力の1画面プログラムをいくつか入力してました。というわけで本日は入力したMファン1行プログラムのご紹介。
1本目「ぎゃあ!!レーザーだ!!!」(92/2)。MSXユーザーなら誰しもコナミの「グラディウス」シリーズはやったことがあるでしょう。ビッグコアとかミスフィッツ艦が放つレーザーを隙間でくぐり抜けるなんて展開もおなじみのはず。というわけで本作はそれを1行プログラムで再現したゲームです。
自機はおなじみドットバイパー。ヨッパライ式に上下する自機を操作し、画面左から飛んでくるレーザーをかわしましょう。ぶつかったらゲームオーバー。かわした回数が得点です。
ゲームにはスクリーン3を使用しています。そのおかげでドットが大きく見やすく、見栄えや遊びやすさが向上しています。さすがに表示は滑らかではありませんが、むしろ1行でこれだけやっているのだからもう十分すぎます。
2本目「ワクワクゲーム」(92/2)は微妙なコントロールが物を言うアクションゲームです。画面左に赤い枠が表示されています。自機はその中のドット。枠は震えながら画面下に移動します。そこからはみ出ないよう自機を画面下まで導きましょう。使うのはスペースキーのみ。スペースキーを押すとドットが下降します。しかし押し続けていると加速してあっという間に枠からはみ出てしまいます。アクションゲームとかでよく見る動く足場とか浮き石のギミックを彷彿させますな。
コツは枠の動きに同調して、少しずつキーを押すこと。しかし微妙な長さに反応し、少しだけ押したつもりがすごい勢いで飛び出しゲームオーバー、なんてことがあたりまえです。この微妙なキー操作を必要とするところが、ゲームをイヤらしくもおもしろくしています。
3本目「GREEN WALL操作監」。先日紹介した「GREEN WALL」の作者さんによる姉妹編とでも言うべき作品です。「GREEN WALL」同様、穴の空いた壁が上の方から降りてきます。その下からはまた壁がせり上がってきます。プレイヤーは下の壁を変形させ、迫ってくる上の壁をやりすごしましょう。
下の壁を通過させるためには、上の壁とぴったり組み合う形にしなければなりません。壁の形は8通り。変形にはカーソルキーを使います。カーソルキーの8方向が、それぞれ一つのパターンに対応しています。上の壁の形を見て、それに対応するパターンのキーを押せば、一瞬で変形が完了します。操作が明快でよいですな。
しかしながらどのキーがどのパターンに対応しているかを覚えないと、瞬時に正しく変形してやりすごす、ということはなかなかできません。オリジナルの「GREEN WALL」同様、なかなか難しいゲームです。
本作の本質はいわば「旗揚げゲーム」です。それを瞬時に壁を組み合わせるゲームに置き換えたことで、目新しさが出ています。さらにそれを1行で実現したところにやはり驚愕!
4本目「避雷針」(92/7)。画面下の避雷針を動かし、上から落ちてくる雷を受け止めましょう。受けられなかったらゲームオーバー。それまで受け止めた回数が得点です。雷はジグザグに落ちてきます。スピードも速くおまけに避雷針が小さいため、受け止めるのはなかなか大変です。
その挙動ゆえ、雷の動きは読みづらいです。地面に到達する直前まで、どこに正確に落ちるかはわかりません。ですので落下地点を予測することよりも、動きを見て即座に落下地点まで動ける瞬発力と、正確なキーさばきが求められます。編集部も激ムズと認める難易度だけに、続けざまにキャッチに成功すると痛快な気分が味わえます。
5本目「TYPE MASTER 速打マン」(92/7)。タイピングゲームです。画面左からアルファベットが飛んできます。右端に到達する前に同じキーを押して撃墜しましょう。
アルファベットの飛び方がよくできています。現れるなり加速しながら右側に飛んでくるというもので、早く押さねば!と気分が焦ります。しかし難易度は低め。普通に遊んでいる限り、ゲームオーバーになる気がしません(おい)。
文字数の都合で、初期化処理がプログラムに収まっていません。ですのでプログラム実行前にはCAPSキーをロックした状態で「SCREEN0:WIDTH40:KEYOFF」を実行しておきましょう。
6本目「牛歩戦術」(92/9)は、国会等議事採決に着想を得たアクションゲーム。採決を遅らせるため、なるべくゆっくり投票箱にたどり着きましょう。スペースキーを押すと、投票箱に向かっている議員の歩みを遅らせることができます。ただし押しっぱなしにすると、じれてかえって早足になってしまいます。少しずつだましだましスペースキーを押す加減を見極めるのが、牛歩成功のコツです。
何もしないと議員は20分くらいで投票箱にたどり着いてしまいます。荒井は何度かやってみて、1時間に近づくところまでスコアが伸びました。うまくなれば1時間以上は長引かせられそうです(おい)。
7本目「N-DRIVE」(93/1)。MSX2以上用。なんと3Dレーシングゲーム。車を操り、奥から迫ってくる道からはみ出ないよう、ひたすら走り続けましょう。赤いドットが自車です。左右の草むらに突っ込むとゲームオーバー。左右の移動には慣性が付きます。勢い余らないよう、抑制した動きをするのがコツです。
1行ながら奥から道が迫ってくるかんじが出ています。動かしてみると、想像以上に立体感があります。スピード感も十分。よく1行でこれだけやったな、と感心してしまいました。
1行でこれだけやったため、スコア表示処理が収まっていません。スコアが見たければゲームオーバー直後に「PRINT A」を実行しましょう。
1行プログラムはファンダムではなく、掲載作品の選考の様子や、プログラミングに関する読者の疑問等を採り上げたコーナー「ファンダムスクランブル」に掲載されました。ですので付録ディスク等には収録されていません。というわけで同コーナーから拾っては入力する必要があったのでした。
というわけで今年も正月からMSXプログラムネタでした。今年もいろいろ入力したいもので。