例によってMSXプログラムネタ。本日はMファン91年7月号から「THE POINT CHANGER」です。
作者さんは以前紹介した「かに道楽」と同じ方。編集部によれば、作者さんは「さんざん悩んだあげく良い題名が思いつかなかったようで、このつまらな
い名前になってしまった」と、本作の題名の由来について語っています。
というわけでポイントを切り替え電車を導くゲームです。格子状に敷かれたレールの上を電車が走っています。レールの交差点に設けられたポイントを切り替え、画面下部の所定の駅に導きましょう。電車はアルファベットが記載された8x8ドットの四角で表されています。このアルファベットが導くべき駅です。電車は画面左右の端に行くと折り返して戻ってきます。ですがスタートの駅に戻してしまったり、違う駅に放り込んでしまうとゲームオーバーです。
電車はポイントを通過すると必ず90度曲がります。進行方向に対してまっすぐ進むということはできません。電車はあみだくじのごとく移動することになりまして、これがゲームにパズル要素を加えています。編集部では本作を野村トーイの「チクタクバンバン」になぞらえていましたが、15パズルの要領でパネルを入れ替えるわけではないので、内容は相当に異なります。
ゲームはさすがMSX大賞受賞者の作品らしくソツがありません。電車を導く順番でもれなくボーナス獲得というフィーチャーも完備。操作性も悪くなく、全体としてよくできた作品なのですが…正直、自分はノれませんでした(おい)。
編集部がコメントするとおり、このゲームは上達してボーナスが狙えるようになると俄然面白くなるのでしょう。しかしそこに至るまでがたいへんです。車両一つを導くのもままならないのに、どんどん列車が増えてすぐに難易度が上がるため、上手くなった実感が得られません*1。それになまじ作りが良いので、あぁ、起動した。あぁ、ちゃんと動きそうだ。電車の動きがいいな、効果音もいい、スピードも快速、おぉ、駅にゴールした、挙動もスムーズだ、さすが大賞受賞者のゲームだな…とひととおり動くのを確かめたところで満足してしまって、ボーナスを狙える段階に達する前にもういいやとなってしまったのでありました(おい)。
出来は決して悪くないのですが、最初に乗り越えるべきハードルが高いのに掴みが弱いというか、上手くなるまで遊び続けたくなるような中毒性がないというか、いまひとつ惹きつける何かを感じませんでした。
編集部の担当者さんは、発車周期を長くしたり、事故が起きてもミスにならないようにするなど、難易度を下げる改造をしてひねもす遊んでいたそうです。そういうものなのかもしれません。
*1:荒井がヘタなだけ言うな(号泣)