
連日のMSXプログラムネタ。本日はMファン91年1月号より「JIG・PUZZ」、有り体に言ってジグソーパズルのゲームです。ジグソーなのにピースが正方形じゃないかとはツッコまないように(おい)。

本作で遊ぶにはまず、絵を自分で用意しなければなりません。プログラムにはそのための簡易描画機能が備わっています。しかし機能は本当に申し訳程度のもの。操作性も悪く、お世辞にも使いやすいとは言えません*1。できるのはドットを置くことと、置くドットの色と大きさを選ぶことのみ。まともな絵を描くには心許ないので、それなりの絵で遊びたいのなら、別のツールを利用する方がはるかに実用的です*2。

…というわけで、別のツールを利用してそれなりの絵を用意しました。これでようやくまともに遊べるようになったので、内容の説明です。
バラバラのピースを並べ、絵を完成させましょう。画面右にバラバラになったピース、左上に完成図が表示されています。画面右からピースを拾い、左下のフィールドに並べます。右上には経過時間が表示されています。制限時間はありませんが、短い時間で完成できたら自分で自分を褒めてやりましょう(おい)。

1枚の絵は10x10の100ピースで構成されます。一般的なジグソーパズルに比べて少なめですが、ぱっと遊ぶにはちょうどよいボリュームです。もっとも、同じようなピースが多くなる絵柄は苦戦します。そのかわり正しい位置にしか置けない仕様なので、総当たり式で置ける場所を探していけば、いずれ完成できるようになっています。時間がかかっても必ず完成できるのはよいですな。
ゲームは必要最低限の作り込みにとどまっており、全体的に作りが粗いです。至れり尽くせりではないかわり、その分リストは短めです。

作者さんによれば、自分で好きな絵を描いて遊べるパズルゲーム、というのが本作の趣旨のようです。しかし「グラフサウルス」等のツールや、他機種で描いたCGをMSX上で*3展開できるローダー等がまだ十分に普及していなかった当時、好きな絵を加工して遊ぶのは、微妙にハードルが高いことでした。
Mファン後期の名物コーナーとなった、ほほ梅麿さんの「勝ち抜きCGコンテスト」が始まったのが、ちょうどこの作品が掲載された号でした*4。本作はまさにMSX2以降のハードでCGが一般化しつつある頃に登場した作品と言えますが、本格的なCGを扱うにはプログラムが貧弱だった上、時期尚早だったという感もあります。
その後93/94年12-1月号に、同様のパズルゲーム「洋食専門店Puzzu」が掲載されています。こちらは機能や操作性、CGファイルの扱いやすさもはるかに向上しており、よりCGが身近になった時代の作品、という印象があります。

最後に他のグラフィックツールで「JIG・PUZZ」用の画像を作る方法を紹介しときます。
画像はスクリーン5用に描画します。絵の大きさは100x100ドット。これを画面の(10,10)の位置に配置しましょう。言い換えれば左と上に10ドットの余白が必要です。スクリーン5の解像度は256x212ドットですが、(10,10)の位置より100x100ドットの範囲に表示されてあるものがパズルとして使用されます。
使用できる色はMSX2の256色中16色。パレットを使う場合は、BSAVE命令のSオプションを使いVRAMのパレットテーブルごと記録しておくと楽です。具体的にはBSAVE"[ファイル名]",&H0000,&H77FF,Sでセーブしとけば大丈夫でしょう(おい)*5。読み込むときはプログラムのBLOAD命令の直後にCOLOR=RESTOREを追加しとくことをお忘れなく。