
歳末一画面プログラム祭り。本日はMファン91年6月号から。この号のファンダムには13本の作品が掲載されました。そのうち実に10本が1画面プログラムでした。本数多めなので今回はそのうち4本をご紹介(おい)
「気孔法」(91/6)は以前紹介した「階段をのぼろう」の続編です。しかし内容は全く変わりました。階段を上り詰めた先の道場で気孔法を学んだ主人公が、悪の組織を倒しに行くというバトルアクションゲームになってます。
画面右から敵が迫ってきます。気合弾を放ってやっつけましょう。可能なアクションは前後移動とジャンプ。さらにパターンと強さが異なる全8種類の敵が登場するなど、1画面ながら本格的。気合弾の軌道と敵の移動パターンを見切り、確実に避けて当てることが勝利への道です。

「Difficult Landing」(91/6)。初期Mファンの名作「Landing is Difficult」の1画面リメイク版です。オリジナルは7画面ほどだったので、かなりの短縮化です。
ゲームはオーソドックスなランディングゲーム。逆噴射をうまく利用して、宇宙船を着陸台の上に着陸させましょう。燃料に限りがあるので、無駄な噴射は禁物です。面が進むほど障害物が増えたり重力がきつくなって難しくなるなど、1画面でも抜かりはありません。

MSX2の機能を使ったグラフィックやエフェクトが印象に残る。
当然グラフィックは簡略化されてますが、ゲーム内容と雰囲気が良く再現できています。特にMSX2のハードウェアスクロール機能を利用したゲームオーバー時のデモまで再現しているのには恐れ入りました!

「PLAY WITHOUT PREJUDICE VOL.1」(91/6)。「偏見なしに遊べ」という題名がついてますが、有り体に言ってCOM対戦専用オセロ/リバーシゲームです。1画面プログラムでCOMの思考ルーチン「おせぞー氏」を実装したのは驚くばかり。作者さんは「自分がオセロの定石を知らないため思考ルーチンがそんなに強くない」とコメントしてますが、同じくオセロの定石を知らない荒井が勝てないので、初心者相手なら十分な強さです。
しかし1画面で思考ルーチンを組む都合上、プログラムはファンダムおなじみの意味不明な文字の羅列で記述され、非常に入力しづらいです。ゲームよりもバグ取りの方が大変だったよ!(泣)

「M-FIGHTER」(91/6)も、マシン語を駆使したプログラム。1画面STGです。次々に出現する敵を撃って撃って撃ちまくりましょう。ライフ制を採用しており、5回までは敵にぶつかってもゲームオーバーになりません。時間が経つほど敵の出現間隔は短くなり、数が増えていきます。撃ちまくってハイスコアを目指しましょう。
Mファンの1画面STGでは「スペースショット」シリーズという傑作が存在しますが、そちらはBASICで組まれていました。こちらはマシン語なので速いです。敵は1種類ながら、移動パターンを変えることで変化をつけています。弾も3連射可。ストレスなく遊べます。そのコンパクトさはファンダム発の名STG「GALLEON」を彷彿させます。

ファンダム初期の名作として名高い
やはりこのプログラムも1画面に収めるため、意味不明な文字の羅列で記述されています。入力に骨が折れました。ひらがなの「へ」とカタカナの「ヘ」、仮名の大文字と小文字が鬼門だぜ(号泣)


ちなみにさっきの「GALLEON」の作者さんの作
ファンダムではマシン語ダンプリストを掲載しませんでした。16進数で表記すると誌面を圧迫します。そのためマシン語サブルーチンを記述する方法として、バイナリを対応する文字に置き換えて記述するなんて手法が発達しました。この手法にはマシン語プログラムを少ない文字数で記述できるという利点があります。そのため1画面プログラムとは相性がよく、1画面でかなり凝った内容を実現した作品も数現れました。
しかし可読性と入力しやすさは最悪。デバグも大変で、入力者泣かせの方法でもありました。