何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「キセロゲル」(他一本)

おもちとか棒寒天もキセロゲルらしいぞ

 記事で見て奇抜な題名だけはやたら印象に残っているタイトルでした。しかし入力して遊んだのはついこの間。というわけでしばらく間が空いたMSXプログラムネタ。本日はMファン91年3月号より「キセロゲル」です。
 キセロゲルとは化学用語です。一般にはコロイド溶液から水分が抜け、網目状の構造が残った物体みたいな解説がされますが、そんなことを知らずとも遊べます(おい)。キセロゲルのなんたるかはDPZの下の記事あたりをご参考に*1


dailyportalz.jp

棒寒天製造中(違)

 さておき、本作は「落ちゲー」のようでそうとも付かない不思議なアクションパズルゲームです。「エリア」*2の中にコロイド粒子を投入し、いっぱいに詰め込みましょう。より詰め込むほど高得点です。コロイド粒子には大中小の三種類があります。粒子はフィールドの左端をゆっくり降りてきますので、ここぞというところに達したらゴルフゲーム式に打ち出す方向とパワーを決め、エリア内に打ち込みます。粒子は壁や他の粒子にくっついた時点で固着します。効率よく詰め込むには、よく狙って打ちこむことが肝心です。投入中のコロイドの挙動には重力も働きます。つまりまっすぐには飛びませんので、その分も勘案しなければなりません。

ゲームオーバー。みっちり詰まったキセロゲルのできあがり

 エリアの左端は、落ちゲーで言うところの「最上段」にあたります。コロイドを投入するには、ここに粒子が通過できるだけの空きがなければなりません。つまりここがすっかりふさがってしまったらゲームオーバー、その頃になるとエリア内には、MSX2お得意のグラデーションを効かせた大小とりどりのカラフルなコロイドがにぎやかにちりばめられ、さながら抽象画や現代美術の絵のようです。このゲームオーバーになったときの画面の美しさは、編集部も特に高く評価したところで、本作の大きな魅力となっています。作者さん曰く「ゲームオーバー画面を見てキセロゲルを思い出しませんか」。不思議な題名はどうやらここに由来しているようです。スーパーの詰め放題をおもいだした荒井とは訳が違います(おい)。
 エリアの大きさはプレイ開始時に9段階から選べます。大きいほどプレイ時間も長くなり、集中力も要しますので、気楽に遊びたいなら、小さめがオススメです。

ビッグなエリア9とコンパクトなエリア1。気分で選べる9レベル

 以前「通勤快速」(作・Nu~さん)という作品を紹介しました。そちらも本作も「限られたフィールド内に効率よくオブジェクトを詰め込むゲーム」であるところは同じながら、見た目や味付けの違いで、印象は大きく変わるものです。
 本作はみっちりと詰め込んだ方が見栄えがいいので、より見栄えのするゲームオーバー画面を拝むために遊んでしまいます。どこかアカデミックな雰囲気をまとった、妙に惹きつけられる作品です。

「TAR-BOT2」

 それともう一本、同じ号から「TAR-BOT2」なるパズルゲームも入力してました。画面内のオブジェクトをうまいこと利用したり動かしたりしながらパーツを組み合わせタマゴを作るというのが目的です。パーツを動かすと壁ができてしまって邪魔になるので、動かし方をよく考えなければならないというのが工夫ですかね。
 しかし荒井の苦手な「オーソドックス」なパズルゆえ、動作確認ぐらいでろくに遊んでないので紹介はこのへんでやめときます(おい)

*1:Mファンの掲載号にも、キセロゲルのなんたるかを解説するコラムが設けられていました。

*2:化学実験には欠かせない、ビーカーらしいです。