何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

歳末一画面プログラム祭りファイナル~その8

「みえないめいろ」

 というわけで一日の中断をはさんでまた1画面プログラム祭りです(おい)
 「みえないめいろ」(91/7)は、対戦迷路ゲームです。ルールは単純明快そのもの。一斉にスタートして迷路をくぐり抜け、一番早くゴールにたどり着いたプレイヤーが勝利です。しかし迷路の壁は一切見えません。勘と記憶力を頼りに道を探り当てましょう。最大3人プレイが可能ですが、一人でも遊べます(おい)。「ダンジョンマスター」はぼっちプレイだったんだよ俺…(泣)

一定時間経過で壁出現。これがゲームのスピードアップにつながっている。

 救済策なのか、スタート後一分が経過すると、見えなかった壁が現れます。こうなったらあとはスピード勝負です。ゲームは単純に過ぎる嫌いがありますが、一定時間経過で迷路が現れるのは、冗長さを防ぐよい方法だとおもいます。

「TOPPLE V2」

 「TOPPLE V2」(91/7)。棒立てアクションゲームです。白い棒を倒さずバランスをとり続けるのが目的です。
 しかし本作もただの棒立てにはあらず。白い棒は絶えずあちらに倒れたりこちらに倒れたりする黄色い棒の上に立っています。これにつられて白い棒も倒れそうになったりしますので、うまいことバランスを取ってやらなければなりません。アクションがさらにダイナミックになっているわけですな。
 さらにニクいのは単に倒れないよう立て続けるよりも、水平に近い状態でバランスをとり続けた方がスコアが上がること。単純に倒れるまでのスコアを競うゲームであるため、非常に明快かつテンポよく遊べるのが良いところです。また、MSX2のページング機能を使っているため、ふらふらと動く棒のアニメーションが非常にスムーズです。
 本作は「たおれるよ」なる作品を前身としています。「プレイ感覚はよかったが棒の動きに違和感がある」という理由で、同作は不採用となりましたが、惜しくもボツとなった作品を紹介するファンダム内コーナー「今月の残念賞」で名前と画面のみが紹介されています。タイトルの「V2」には、「たおれるよ」からバージョンアップを果たしたという意味も含まれています。

「BEAM SHUTTER」

 「BEAM SHUTTER」(91/7)。有り体に言ってシューティングゲームの「シャッター抜け」を再現したゲームです。緑の柱の間を自機・スルーラーが飛んでいます。柱の赤いところからは行く手を塞ぐように遮蔽ビームが放出されています。このビームが切れるタイミングを見計らってうまいことくぐり抜け、ひたすら飛び続けましょう。遮蔽ビームの手前でスクロールに同調して自機を移動させ、切れたタイミングを見てさっと抜けるのがコツです。
 本作はゲームの一要素を取り出してぐっと単純化したタイプのゲームといえましょう。以前紹介した「シャッター」よりも、「沙羅曼蛇」や「スペースマンボウ」に近く、シャッター抜けのスリルと快感が存分に楽しめます。

「バルーン」

 「バルーン」(91/7)。定番の風船アクションゲームです。赤い風船を操り、障害物の緑の風船を避けつつ、爆弾を落として画面下の標的を破壊しましょう。風船だけに操作は独特。移動は右回転と左回転のみが可能です。このままならなさに、風船の風任せなかんじがありますな。
 この手のゲームは操作に慣れてからが勝負。難しすぎず簡単すぎず、ちょっとがんばれば何とかなりそうなところがよいです。先日紹介した「神秘の天宮図」の自機と同じような挙動でありながら、動きはこちらの方が格段に上。動かすおもしろさが味わえます。

「アシカの修行」。舞台はひれあし広場(違)

 「アシカの修行」(91/7)。作者さんは「目玉焼きだ!!」「キュウリだ!!」等、忘れ得ぬ作品の数々を残したきうちさん。同氏の作品は舞台設定や目の付け所に優れたものが多いです。
 本作は水族館とかでおなじみのアシカショーを題材にしたアクションゲーム。アシカになって曲芸の稽古をします。本作はキャッチボールの練習。飼育員が投げてくるボールを5回トスしてから返しましょう。ボールを受け取ってトスすること自体は簡単です。しかしこれを返すのがなかなかむつかしい。うまく返せるとご褒美の魚とともに得点が入ります。操作とボールの挙動が素直なので、非常に遊びやすいです。

曲芸成功。細かい演出がうれしい。

 それらしく描かれた水族館のステージの背景グラフィックに、ご褒美の魚を投げ渡すアニメーションなど、1画面ながら演出に凝っています。変わっているのは得点が数字ではなく四角形の色と大きさで表されていること。楽しく遊べる良作です。

「アシカの修行2~フープ抜け~」

 作者さんも気に入っていたのか、「アシカの修行」はシリーズがいくつか制作されています。初回作が発表された次の号には、さっそく続編が掲載されています。というわけで「アシカの修行2」(91/8)。今度は副題のとおり、フープ抜けの特訓です。
 やはりアシカになりかわり、フープ抜けの練習をしましょう。画面左側からアシカくんが泳いできます。画面中央に吊されている輪っかめがけてジャンプしてくぐり抜けましょう。10回試行して成功した回数を競います。アシカの泳ぐスピードや輪っかの位置は毎回変わります。適切にタイミングを計って踏み切るのが成功するコツです。
 フープを抜ける際、完全に中央を通過する必要はありません。少しでも接触すればくぐり抜けたことになる親切仕様です。このおかげでストレスなく遊べることも見逃せません。

7回成功。まずまずの好成績だ。

 前作の良さである楽しい演出と遊びやすさは健在。開始時と結果発表時にはアシカくんがプールを泳ぎ回ります。単純なゲームながら、非常にテンポが良いので、飽きる前に一局が終わる小気味よさ。成功するごとにステージ上にカラフルなパネルがちりばめられ、どんどん賑やかになっていくのも楽しいです。
 「アシカの修行」シリーズはその後も続き、全部で4作が発表されています*1


 未紹介の1画面プログラムはまだあります。一画面プログラム祭り次回はいよいよNu~さん特集です(おい)。

*1:実は5作目も製作されていたのだが、グラフィックの質に対してゲーム性が合っていなかったという理由で不採用になっている。