何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

歳末一画面プログラム祭りファイナル~その3

「BEN BALL」

 歳末一画面プログラム祭り。今回は本数少なめ(おい)。91年4月号のファンダムは掲載本数が8本と元から少なかった上、うち5本が「タコ&イカ」を含む大中規模のプログラムだったため、1画面プログラムの掲載数が少ないのです。


 「BEN BALL」(91/4)は一風変わった「テニス風」ゲーム。「バンパー」ことパドルを動かし、画面上に浮かぼうとするボールを打ち返し、画面下まで沈めましょう。制限時間内に規定の数のボールを沈めればクリアです。バンパーは画面上に七つ並んでいて、操作すると一斉に動きます。ボールを打ち返すとわずかに沈みます。ボールを画面下まで沈めるには、上段のバンパーで打ち返したら次は中段で受け止め打ち返し、さらに下段で…といった具合に、上段から下段へうまくリレーしてやらなければなりません。ボールがバンパーに上からぶつかった場合、上に跳ね返さず、捉えて下に送ってくれるのはなかなか親切な仕様です。
 パドルでボールを打ち返すゲームはそれこそ定番中のド定番です。掲載される作品には他とは違う要素が見られるものですが、この作品にも独自の工夫が見られます。

「三十人綱引き」

 綱引きゲームも数が少ないです。荒井の知る限り、かのザインソフトの「タッグオブウォー」くらいのもの(おい)。「三十人綱引き」(91/4)は、その珍しい綱引きゲームです。二人プレイ専用で、30人の手持ち選手の中から互いに何人参加させるかを決め、綱を引き合います。選手の多い方が勝ち。最大5試合を競い、先に3勝した方が勝利です。
 各試合に出せる選手の数は、30人から使った人数の分だけ、次第に引かれていきます。つまり最大5試合を30人から取り崩しながら戦い抜かねばなりません。最初の試合で10人を使ったら、次の試合では20人までしか使えず、さらに10人使ったら、3試合目では10人までと、次第に繰り出せる人数が減っていきます。
 出す人数が多いほど勝てる確率は上がりますが、すると次の試合以降で出せる人数が減ってしまうため、連戦するほど不利になります。やみくもに大人数をつぎ込めばいいというものではなく、そこに相手との駆け引きが生まれます。
 いわば本作の本質は、ある種の「ハイ&ロー」ゲームです。それを綱引きという形で見せたのが巧いところです。


 残る一本はまた後日ご紹介します(おい)。