何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「ジャパニーズビジネスマン(円の奇跡)」




 ここのところ日本経済は円安で何かと大変なことになってますが、40年くらい前には、飛ぶ鳥を落とす勢いだったこともあるのです。というわけで今回ご紹介するのはMファン90年7月号より「ジャパニーズビジネスマン(円の奇跡)」です(おい)。


 題名の元ネタはその円が飛ぶ鳥を落とす勢いだった時代に現れた三共(現・第一三共)の栄養ドリンク「リゲイン」でしょう。発売が88年、CMソング「勇気のしるし」が大はやりしたのが89年。バブル経済真っ盛りでしたな(遠い目)。

ステージクリア。残る軌跡が目に美しい。

 さておき、そんな熱が覚めやらぬ頃に登場した本作は変型お手玉ゲームです。跳ねるバブル…もとい円をパドルで受け止め、跳ね返し続けましょう。跳ね返すほど円は勢いが付き、より高く跳ねるようになります。かくして円を天井まで跳ね上げ、それを受け止めればステージクリア。円は軌跡を残しながら跳ねます。サブタイトルの「円の奇跡」は「円の軌跡」の洒落(おい)。ともあれトスを続けるほど、放物線状の跡でどんどん賑やかになっていく画面が楽しいです。

パドルが見えない! 勘と予測でなんとかしよう。

 本作のユニークなところは、ピープホール表示であることです。画面に表示されるのは円の周囲だけです。位置によってはパドルがピープホールの枠外にはみ出して見えなくなります。ですので、円が高く跳ね上がったときなどは、その軌跡を見ながらパドルの位置と移動量を勘案したキー操作が必要です。この感覚を頼りに見えない部分を補うところが、ゲームにほどよい変化と難しさを加えており、特におもしろいところとなっています。