何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「風船を飛ばそう」

飛ばすのはむしろ弾

 気づけば12月も後半です。果たして今年中に全部紹介しきれるのか(おい)…というわけで本日もプログラムネタ。Mファン91年9月号より「風船を飛ばそう」です。
 果たしてこの題名から内容が予想できるのか。溜め撃ち弾でUFOを撃墜するゲームです。なぜUFOを撃ち墜とさねばならないのかというと、UFOが局地的に集団発生するようになったおかげで開会式とかにつきものの「風船飛ばし」ができなくなってイベントに華がなくなったので、事態を憂慮した町役場が撃退することを決めたから。ほのぼのとしたタイトルと裏腹にやるべきことは残虐。ヒデぇ動機です(おい)。昔の自作ゲームのストーリーには荒唐無稽なものが多かったものでした。それはこの本作も同様です。星間問題にならないのかよw

溜め撃ち弾発射! 大きく溜めてぶっ放すのが気持ちいい

 とにかく砲台を操作して弾を発射し、UFOに当てなければなりません。弾は溜め撃ち式。スペースキーを押している間チャージされ、溜めるほど最大まで大きくなります。
 砲台は左右移動できるのみながら、発射後の弾は若干の誘導が可能。ふらふらと動くUFOめがけてぶつけてやりましょう。外しても再発射が可能ですが、クリア時間制限があるため、悠長に構えてばかりもいられません。
 面が進むほど敵はより硬く速く、制限時間は短くなっていきます。誘導溜め撃ち弾をUFOにゴリゴリ押し付け消し飛ばすと、あたかも元気玉でブウを圧し潰す悟空になった気分が味わえます(おい)。

巨大弾で圧殺。いいヤツに生まれ変われよ(違)

 ここまでは比較的よく見かける固定画面STGでしょう、しかし本作が違うのはここから。UFOを消し飛ばした後も、溜め撃ち弾は画面に残ります。しかも当たり判定を伴ったまま、画面内を跳ね回って下に落ちてくるのです。
 こいつに当たると当然アウト。自分が消し飛びます。なので避けねばなりません。元気玉(違)がデカいほどUFOは墜としやすくなりますが、一方で避けづらくなります。小さいほど当てるのは難しいものの、後の避けは楽になります。撃墜した後、この弾を避けてようやくステージクリアとなります。

間一髪で回避。UFOよりこっちの方が危険だよ!

 動きはカクカクでぎこちなさがあるものの、遊べるゲームとして成立しているので、十分な水準でしょう。溜め撃ちならではの気持ちよさは味わえますし、溜めるほど当たり判定が増す上誘導可能という仕様ゆえ、全然当たらないというストレスがありません。さらにこの溜め撃ちがジレンマとなっているルールがなかなか巧みです。バカゲーっぽさが漂いつつも、しかしどうしておもしろい作品です。

ゲームオーバー。慣れるとなるべく溜めずに撃つようになります。

 そういえば。結局ゲーム中に風船一切登場してないぞ(おい)