先日、BASICの野球ゲームは取捨選択とデフォルメが必要だったというお話をしました。本日ご紹介するプログラムも、やはり割り切った野球ゲームです。てなわけでMファン90年6月号より「とばし屋コンテスト」のご紹介。
本作はホームラン競争ゲームです。実行すると28名の打者リストが表示されます。その中から好きなバッターを一人選び、5球打ってその合計飛距離を競います。投手の投球にタイミングを合わせてバットを振れば、快音とともに打球が飛んでいきます。パターン数は少ないながら、球を投げる投手や、バットのアニメがよく出来ています。ゲームの雰囲気を盛り上げるのに欠かせない要素です。
上位十位に食い込む好成績を収めると、ランキングに記録されます。デフォルトのハイスコアは600m。これを塗り替えるには、腕はもちろん、運も必要です。
バッターにはそれぞれ名前と打数が設定されてあります。数が多い方が強打者で、飛距離も出やすいです。登録された面々は、いずれも当時の名選手の名前をパロったもの。実績のある選手を選ぶか、好きな選手を選ぶか迷うところです。
もっとも、ゲーム自体は単調です。ハイスコアを目指すなら強打者以外の選択はありませんし、打撃はタイミングを合わせてスペースキーを押すだけです。投手は変化球というものを投げてきません。せっかくの打者選択にあまり意味がなく、アクションも変化がないのは残念なところです。
本作は直球過ぎて、投打の駆け引きが味わえる作品ではありません。しかしそのかわり、打つ気持ちよさが存分に味わえます。飛距離が出ればうれしいですが、むしろ気軽にかっ飛ばす楽しさを味わうという点で、バッティングセンター的な野球ゲームという印象を受けました。
なお、本作にはリスト由来のバグがあります。修正しないとスコアがランク外だった場合、プログラム自体が終了してしまいます。リストの該当行を以下のように修正すれば直せますのでどうぞご参考に*1。
*1:実は誌面のとおり入力すると、同行のチェックデータが一致しません。荒井が示したように修正するとチェックデータが一致するようになります。