何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「オリジナル37」&「MISSING LINK」

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 たまには気分転換にこんなプログラムも入力してみたくなります。というわけで本日はゲームではなく音楽プログラムのご紹介。「オリジナル37」と「MISSING LINK」。FM音源MSX-MUSIC用音楽プログラムで、それぞれMファン90年9月号とMSXマガジン90年9月号に掲載されています。


 先日の「かに道楽」で触れましたが、当時はMSX出荷数累計400万台突破を記念した作品コンテスト「MSX大賞」が開かれていました。両作はその音楽部門入賞作です。「オリジナル37」は最高賞MSX大賞、「MISSING LINK」はMSXマガジン賞を獲得しています。

「オリジナル37」。冒頭で音作りの処理をしている。

 「オリジナル37」は、ヘヴィメタかハードロックといった激しい曲。同コンテストの音楽部門の最終審査には、ビートの効いた元気な曲が残ったそうで、本品はその中でも活きが良いという触れ込み。特にディープ・パープルの速弾きを彷彿させる中盤のソロが聴きどころで、審査員の間でも高く評価されたのだそうな。
 ところで作者さんはこの作品を投稿した際、他にも40曲ほどを一枚のディスケットに収めて同時に投稿したのだそうです。曲のカッコよさに比して題名がやたらあっさりしているのは、どうやらそんな事情があるからのようです。

「MISSING LINK」。夥しい数のYコマンドに戦慄する。

 「MISSING LINK」は一転して、洒落た雰囲気のフュージョンナンバー。「よく耳にするタイプの曲」と評されながらも、音作りの巧さが評価されています。PSGでのSOUND文に匹敵する「Yコマンド」やMMLを駆使した細かな音色・音飾は一聴の価値あり。MMLの書き方が複雑で、OCR使っても入力が面倒だったぜ(おい)。*1


 当時のMSX誌では音楽プログラムも盛んに発表され、こちらも人気を博していました。
 おもえばMSX2は「何でもできる」ハードでした。ゲームはもちろん、プログラミングや文書作成、作曲・CGなどもそれなりにこなせることは、ユーザーの創造性を刺激するものであったとおもいます。自作の環境がひととおり揃っていたこと。それがMSX末期のムーブメントである同人界の活況を支えていたのかもしれません。

*1:あと全体を通じて微妙なタイミングの遅れが少し気になります。MMLの書き方に由来するのかプログラムの構造なのか荒井の入力ミスなのか(おい)