何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「CAR FIGHT」




 今はどうだかわかりませんが、昔の映画やドラマ・アニメではカーチェイスというものをよく見かけました。追っ手の車を撒いたり、敵が乗っている車を追跡してドンパチやったり。というわけで本日ご紹介する「CAR FIGHT」(Mファン91/6)は、そんなカーチェイスゲームです。


 プログラムは2画面の規模ですが、れっきとしたストーリーがあります。主人公・壁鎖弟子丸(へきさでしまる)は犯人インディアン・ジョーに恋人沙羅我子(さらわれこ)を誘拐されてしまいました。プレイヤーは弟子丸になりかわり車に乗ってジョーの車を追跡し、我子を救い出しましょう。

車から頭を出す我子。弾を当ててしまうと「お手つき」となる

 弟子丸の車は放置していると勝手にジョーの車と距離を詰めます。しかし詰めすぎると衝突してなぜかゲームオーバーとなります。カーソルキーの上を押すと減速できます。これで適宜間合いを取りましょう。なお、減速しすぎて自分が画面外に出てしまっても、逃したことになってゲームオーバーです。
 減速すると同時に弟子丸は車から頭を出します。このときにスペースキーを押すと銃撃できます。ジョーも同じように頭を出しますので、このタイミングを狙って発砲してやりましょう。こちらの攻撃が当たれば追跡成功。ジョーの車は停止し、見事我子を奪還できます。

追跡失敗。去りゆくジョーの車を地団駄踏んで見送ります。

 しかし当然ジョーもこちらを攻撃してきます。頭を出した瞬間にジョーの攻撃がこちらに当たれば当然ゲームオーバー。さらにジョーの代わりにたまに我子が頭を出すことがありまして、間違ってこれに弾が当たってしまってもゲームオーバーです。車間距離を詰めるほど攻撃は当たりやすくなりますが、当然こちらも反撃を受けやすくなります。ハイリスク・ハイリターンの原則ですな。

救出成功! でもピーチ姫のごとくすぐまたさらわれます。

 やたらせわしないゲームです。常に何か操作していないとすぐにゲームオーバーになりますし、操作してもゲームオーバーになります(おい)。それゆえすこぶるテンポがよく、デフォルメのうまさも相まって、遊んだかんじは非常にコミカルで小気味よいです。ギャグまんがみたいな雰囲気が全体に漂いながら、「近づくほど命中率が上がるがゲームオーバーになる可能性も上がる」「何も考えずにプレイするとすぐやられる」といった具合に、ゲームに欠かせない原則をきっちり守っているところに、作者さんの巧みさが見て取れます。