釣りはやりませんが釣り番組は好きで結構見る荒井です。というわけで本日ご紹介するのはMファン91年8月号「つりぼりやさん」です。
読んで字のごとく、釣りのゲームです。釣り人は画面左上にいるカエルさん。場所は釣り堀です*1。まずは池を観察し、魚がいるところの当たりをつけましょう。魚の姿は見えません。そのかわりじっと眺めていると水面に波紋が現れます。これは水面下を泳ぎ回る魚が反転したときに現れるもの。まずはそのあたりに仕掛けを投げ入れましょう。キャストする場所はカーソルキーで指定します。魚信があるとウキが反応します。タイミングを合わせてスペースキーを押し、釣り上げましょう。
変わっているのは、キャスト後も水面下で針を移動できるところ。魚がいるところを狙い、カーソルで針を移動させることができます。キャスト後のアクションで誘いをかけたり、ポイントに仕掛けを送り込むのは、釣りではおなじみのテクニック。それを彷彿させますな。
各ラウンドには制限時間があります。クリア条件は時間内に1匹でも釣り上げること。数自体は少ないものの、キャスト回数が3回までと決められているので、無駄なことはできません。
しかし本作にはひとつ大きな問題があります。オリジナルの状態ではカーソル等が一切表示されず、仕掛けを投げる場所や、水中で動かしている場所がまったくわからないのです。すなわち操作は一切目見当の勘頼み(汗)。「水中の様子をイメージするのが大事」とは荒井がよく見ている釣り番組で盛んに耳にするアドバイスですが、たぶんこういうことじゃないぞ(おい)。
というわけで編集部では、カーソル位置を見えるようにする改造方法を紹介しています。適用すると格段に遊びやすくなるのでオススメです。
さておき、本作が優れているのは、魚が実際に水面下を移動しているところです。キャストすればランダムに魚がヒットするというものではなく、魚がいるところに仕掛けがなければ食ってきてくれません。水面の変化から魚の居場所を推理し、魚のいるところを狙ってキャストしては仕掛けを送り込むという動作が重要になります。まさに「水中の様子をイメージするのが大事」で、これが本作にリアリティや説得力を与えているのです。
リアルな釣りとはまるきり違うだろうことは釣りをやらない荒井にも予想はつきます。しかしそれでも、それらしさがよく出ているとおもいます。魚がいそうなところを狙って投げて、探って食わせて釣り上げるという一連のやりとりが、気軽に楽しめます。
カエルのキャラは作者・TOMすけさんのお気に入りだったようで、他にもカエルを主役としたゲームをいくつか発表してます。後に集大成的作品として「TOMCAMP」(93/12)を発表するのですが、本作「つりぼりやさん」は、その作中で遊べるミニゲームとして収録されています。