当ブログでもたびたび紹介しているEMGVT-HALTさんの作品には、他とは異なる雰囲気や個性があります。というわけでMファン90年6月号に掲載された同氏の作品2本をご紹介。
1本目「ANNOYANCE」は、固定画面アクションゲームです。画面上に1~9の数字が散らばっています。これを順に緑のキャラこと「緑君」に拾わせましょう。綠君は1~9までを基本最短距離で順番通りに追って移動しますが、障害物を回避しません。ぶつかったらアウトです。そこでプレイヤーは自機を動かし、綠君の進路上に存在するブロックをどけて、道を作ってやらねばなりません。ルールは明快で、何をすればいいのかもよくわかるのですが、綠君の移動がおもいのほか速いのと、動かすべきブロックが多いため、焦ってしくじりやすいのが憎いです。
2本目「おーたらいと」は、変わった操作感覚がクセになるワンキーアクションゲーム。主人公のおーたらいとを操り、画面内に散らばるハートを拾っていきましょう。
おーたらいとは画面中央を中心に、円を描くように回転して移動します。プレイヤーにできる操作は、スペースキーを押してその半径を伸び縮みさせることのみ。画面内にはリピーなる敵キャラも登場し、これまた円を描くようにしておーたらいとに近づいてきます。当然ぶつかればゲームオーバーです。
最初はどう動かせばよいのか勝手がさっぱりわからず、すぐにやられてしまうでしょう。それでも何度かトライを繰り返し、コツをつかんでくると、次第に上手に動けるようになってきます。
キャラクターの円運動は、メモリ上に書き込んだ座標計算用テーブルによって実現しています。スムーズかつトリッキーな移動はこのたまものですが、このテーブル作成のため、初回起動時に数分待たされます(おい)。YUKIさんの「プーリー」を彷彿させますな。
古今東西、変わった操作を楽しむゲームは数あります。本作もその一つと言って良いとおもいますが、シンプルながらユニークな操作感覚は、なるほどさすがEMGVTさんであります。