何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

だいたい毎日入力干支一周

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1週間にほぼ1本打ち込んでた計算です

 というわけで今年も何とか一年生き延びまして、またこのエントリを書く日となりました。だいたい毎日MSXプログラムを入力していつの間にやら12年。今年入力したのは全56本。100本までには到達しませんでしたが、わりとまじめに入力していたようです(おい)。
 今年は久々にポプコム掲載プログラムをいくつか入力できました。ギミックが魅力の「BLOCK MAZE」、粗削りながらツボの押さえ方が巧い「THE BALLS」。雰囲気が楽しい「DREAM IN PIANIST HEIPEI」。どれも永らく気になっていた作品です。
 特に「BLUE & RED BALL」は今年最も印象に残ったタイトルでした。ワンキーゲームであることを忘れるほど様々なアクションができるデザインに脱帽。掲載当時全くノーマークながら意外な佳作ぶりで(おい)、大いに楽しませてもらいました*1


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「BLUE&RED BALL」「通勤快速」。
どちらもノーマークだったが予想外におもしろかった(おい)

 ベーマガ作品ではスクリーン3のグラフィックをよく活かした「かっぱまん」、勝手に付いてくるという解き心地が新鮮な「HYDE PARK II」がおもしろかったです。今年入力した中の大半を占めるファンダム作品は、基本どれも出来が良いのですが、アイディアが秀逸すぎる「通勤快速」がお気に入りです。

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先日三崎山に行った帰りに撮った鳥海山
あの てっぺんに立っていたんだなぁ。

 ところでプログラムとは全く関係なく、今年はいろんな山に登ることができました。中でも鳥海山界隈と二口山塊には何度も出入りしました。念願の飛島に渡ったり、鳥海山大東岳に初登頂を果たしたり。一等三角点も10個ぐらい拝んだな。
 鳥海山のてっぺんに立ったときおもいました。「現時点で自分が登れる最も難しい山に登ってしまった。」 山形一高い山も通過点となりました。次なる目標目指して、また積み上げていくことになるのでしょう。
 山歩きは古ゲームと並ぶ荒井の趣味であります。来年もさまざまなプログラムを入力したり、いろんな山に出入りできればなとおもいます。 


 というわけで例によって今年入力したプログラムは以下のとおりです…来年中に手持ちのファンダム未入力作品全部入力できるだろうか?(おい)


1:2001年の初日の出
2:IT'S BAD
3:カード・ルーチン
4:BLOCK MAZE
5:3 dimensions
6:フリスビー犬John
7:スーパーポンポン
8:ふにら
9:荒野のガンマン
10:うひょ
11:Decoぴぃーん
12:MOGUE
13:川越東スペシャル
14:THE BALLS
15:かっぱまん
16:虹のロミンクル
17:激突Romincle
18:スーパー・ザ・キャッチャー
19:LANDING
20:ボールがとんだ!
21:あみだおとし
22:そろばん
23:十五・二十五
24:DREAM IN PIANIST HEIPEI
25:Dr.のラーメン屋参り
26:HYDE PARK II
27:BLUE&RED BALL
28:コプ太くん
29:通勤快速
30:どろぼー
31:Eight Movement
32:トトリス
33:死にたくな~い
34:あっちむいてホイ!
35:JUMP OVER THE WALL
36:JU-do
37:ばれーぼーる?
38:コンセント
39:BATTLE SHOOTING
40:くだらん1行プログラム
41:Identical
42:貧乏流
43:SPEEDER
44:赤外線
45:STAR&MOONS
46:激突ホームランスタジアム
47:トンネル・トライアル
48:A or B
49:星の降る夜
50:TILE GOLF
51:金太と風
52:恐怖天井男
53:2人バレー
54:LINES MAN
55:クルクル
56:BALLING

*1:この期に及んで紹介記事のエントリでタイトルをおもいきり間違えていたことが発覚。大あわてで修正いたしました(汗)

「BALLING」

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 歳末プログラムまつり最終日(おい)。今年最後の日もやっぱりプログラムネタです。というわけで2021年最後のプログラムはMSXファン90年4月号より「BALLING」です。
 ボウリングのゲームですが、題名の綴りは間違いではありません。ピンの代わりにボールがターゲットだから「BALLING」。というわけでレーンにマイボール(以下「手球」)を転がし、ターゲットのボール(以下「的球」)にぶつけてやりましょう。
 手球がぶつかった的球は連鎖的に転がり、また別の的球にぶつかることがあります。手球であれ的球であれ、ボールがぶつかった的球は倒れるかわりに消えます。この要領でボウリング同様、なるべく多くの的球を消せば高得点です。2度のトライで全部消せばスペア、1発で成功すればもちろんストライクです。

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ぶつかった的球は水色になって転がりだす。
効果音がなかなかよい

 プレイヤーは投球時に、投球位置と曲がり具合を指定できます*1。これでお目当ての的球を狙うのですが、手球の挙動は乱数で若干ぶれるため、必ずしも狙い通りにはいきません。もっとも、この乱数がいい具合に運を左右してくれるので、ゲームが単調になりません。

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ハイスコア更新! ネームエントリーが可能だ。

 1ゲームは全10フレーム。1ゲーム終了時にハイスコアを記録するとネームエントリーが可能です。
 実際のボウリングとはけっこう違う部分だらけながら、遊んだ感覚はなかなかボウリングに近いものがあります。一度にたくさんのターゲットを消す爽快感、スペアを狙う面白さ。まっすぐを狙って投げても調子によってぶれてしまうあたりも、やけにリアリティを感じます(おい)。

*1:球速は指定できません。

来年車買うぜ

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今週のお題「買ってよかった2021」


 さいわい、今年はそんなでかい買い物はしなかったんですが、ジャストシステムの通販で衝動買いした掃除用刷毛と、上山のO-BALさんのシュトーレンが、非常によかったです(おい)。

歳末一画面プログラムまつり2

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「恐怖天井男」

 というわけで予告どおり、残ってる一画面プログラムのご紹介。本日も4本立て、全てMファン90年4月号掲載です。


 一本目「恐怖天井男」はスリリングなアクションゲーム。上から吊り天井が落ちてきます。潰されないよう耐えましょう。天井にはところどころくぼみがあります。その下にいれば、落ちてきても潰されることはありません。天井はわずかな時間で落ちてきます。くぼみの位置は落ちるごとに変わります。くぼみが空いたところを見極め、素早くその下に移動しましょう。

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吊り天井が落ちてきたところ。猶予がないので非常に焦ります。

 天井が落ちてくるまで間がないので、とにかく焦ります。首尾良く生き残ってもすぐまた落ちてきます。この焦らせるテンポの良さが身上でしょう。メガドラのアクションゲーム「ダイナマイトヘッディー」に、こんな攻撃をしてくるボスがいたような気がしますが、本作の登場は「ダイナマイトヘッディー」よりずっと前です。
 キー反応が良すぎて、狙ったところに行こうとしても行き過ぎてしまう操作性は、ちともどかしいところ(おい)。

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「2人バレー」

 二本目「2人バレー」。対戦専用のようでいて、1人プレイ専用の簡易バレーボールゲーム。題名は出てくる選手が自分と相手の2人だけ、という意味のようです。自分のコートに落ちないよう球をトスしつつ、相手のコートを狙いましょう。
 簡易バレーながら、様々な打ち分けができるのが本作のポイント。プレイヤーの受ける角度によって、球は様々に軌道を変えます。真下に近い位置で受ければ高く打ち上げるトスになりますし、斜めに受ければ相手コートめがけて飛んでいきます。
 ニクいのはイン・アウトを判定しているところ。自分の打球が相手のコートの向こうに落ちてしまうとアウトを取られ、あちらの得点となってしまいます。その逆も然り。一画面ながら、なかなかバレーボールっぽいボールの応酬が楽しめます。

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「LINES MAN」

 三本目「LINES MAN」は、球審体験アクションです。フィールドにボールが落ちてきます。落下地点がコートの内か外かを判定しましょう。ミスジャッジは即ゲームオーバーです。また、ボールが画面外に出てしまうまでに判定しないとこれもまたアウトなので、うかうかしてはいられません。
 とにかくテンポの良いゲームです。ボールは次々に飛んでくるので、瞬時にジャッジしなければなりません。テンポに煽られキー操作を誤り、ミスジャッジしてしまうこともしばしば。息もつかせぬ勢いで次々に、というところが面白さの肝になっているとおもいます。ちなみに作者さんは「2人バレー」と同じ方。バレーが好きなんでしょうかね。

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「クルクル」

 四本目の「クルクル」は、MSXのパターンジェネレーターテーブル書き換えを使ったクイズゲームです。ゲームは大きく二つのモードが選べます。ひとつは横にロールする文字が何かを早押しで当てさせるモード。もうひとつは横にロールする二つのパターンのどちらがお題と同じかを当てさせるモード。一画面プログラムながら二つのゲームが楽しめるという、一粒で二度おいしい仕様です。他機種に比べ、MSXのVRAMは操作がしやすく、リアルタイムに文字を書き換えるなんて芸当は容易なことでした。

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早押しモード。クラブはGRAPHキー使わないと押せないよ!

 早押しモードでは、MSXアスキーキャラから出題されます。文字種にはアルファベットの大文字のみならず、小文字ばかりか、日本語のひらがな・カタカナ、果てはトランプのスートまで(おい)。キーボード上から該当する文字を入力する際は、当然CAPSキーやかなキー・GRAPHキー等を押してやらねばなりません。ですからWindows上で走るエミュレーターではちと遊びづらいです(おい)。

歳末一画面プログラムまつり1(おい)

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「A or B」

 というわけで溜まったプログラムネタ。本日は1画面プログラムが4本です(おい)。
 まずは「A or B」(Mファン90/3)。二者択一の運試しゲームです。二又の道路を車で走っています。右に行くか左に行くか、どちらか選びましょう。片方は行き止まり、もう片方は先へと続いています。行き止まりを選んだらゲームオーバー、どれだけ先へ進めるかを競います。画面が昔のアナログ筐体のドライブゲームを彷彿させますな。

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スクロールの境目にゴミが出るのはMSX2の仕様です

 展開は全く運次第で、プレイヤーの腕前が入り込む余地はありません。ですのでこれをゲームと呼んでいいのかという気もしますが、MSX2のハードウェアスクロール機能のおかげで、スクロールがスムーズです。画面上に「ゴミ」が出るのはご愛敬で(おい)

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「星の降る夜」

 二本目。「星の降る夜」(Mファン90/3)。バリアを操り、空から降ってくる星から街を守りましょう。見た目はどことなく名作「ミサイルコマンド」に似ていますが、本作がユニークなのは、降ってくる星が途中で一度止まることです。
 星はある程度の高さに達すると停止し、画面上にバリアが現れます。止まっている間に、それまでの軌道から落下地点を予想して、バリアを移動させましょう。防げれば次のトライ、失敗したらゲームオーバーです。
 「ミサイルコマンド」のようなリアルタイムアクションではなく、星の軌道から落下地点を予測するクイズと言ってもよいかもしれません。アクションとは異なる面白さがあって、これはこれでアリ。ゲームとしてきちんと成立しています。

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「TILE GOLF」

 三本目「TILE GOLF」(Mファン90/3)はファンダムの有名投稿者、NAGI-P SOFTさんの作品です。ボールを弾いてゴールこと青いタイルに乗せましょう。ボールは飛ばす方向とパワーを選べます。決められた打数内にオンできないと、ゲームオーバーです。
 さらにボールが載ったタイルは消えてしまいます。タイルから落ちると一打が無駄になってしまいます。打数が増えるほどフィールドに穴が増え、どんどん難しくなります。
 見た目はゴルフっぽくありませんが、ゲームシステムや遊んだ感じはなるほどゴルフゲーム。タイルが消滅するというルールも巧く、さすがNAGI-P SOFTさんと感心する出来です。

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「金太と風」

 四本目「金太と風」(Mファン90/4)はRomiさんによる対戦ゲームです。土俵の上に金太なる人物が乗っています。プレイヤー1はこの金太を操作します。プレイヤー2が操るのは「風」(おい)。プレイヤー1は金太を動かし、土俵から落ちないよう踏ん張りましょう。プレイヤー2は風で金太を煽って、土俵から落としましょう。
 いわば一風変わった力比べゲームとでも言いましょうか。少しの操作でもキャラクターは動いてしまうので、微妙な力の加減が肝心です。見た目は非常に地味ながら、深い読み合いや駆け引きが盛り込まれているところにRomiさんらしさを感じます。


 残った1画面プログラムはまた明日ご紹介の予定(おい)

「トンネル・トライアル」

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 いにしえのマイコン少年たちにとって、3D表示が憧れだったのはこれまで何度か述べたとおりです。『スターウォーズ』のデススター戦とか『ギャラクシーフォースII』の迫力を我が家で、と願った者は数知れず。そんなわけでMSXでも様々な3Dゲームが生まれたわけですが、今回紹介する「トンネル・トライアル」(Mファン90/3)もそんな作品です。

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ステージごとに壁の色が変わります

 ルールはこないだ紹介した「SPEEDER」に近いです。飛行艇がトンネルの中を飛んでいます。壁にぶつからないよう突き進みましょう。一定距離を飛びきればステージクリアです。トンネル内部は曲がりくねり、遠心力が働きます。壁に当たらないよう、自機をうまくコントロールしましょう。

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画面準備中。画面作りの秘密がうかがえる。

 疑似3D表示には、MSXのちょっと便利機能、ページングを利用しています。壁のアニメはVRAMのカラーテーブル書き換えによるものです。さすがに『ギャラクシーフォースII』は無理ですが、MSXはVRAM周りの表示機能にはわりと恵まれている方だったので、ちょっと工夫すればお手軽な疑似3D表示をすることぐらいはお茶の子さいさいでした。作者はおなじみNu~さん。名手らしく手慣れた作りで、スピード感も操作性もばっちり。手軽に飛び回る感覚が味わえます。