何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「MOGUE」

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 本日もMSXプログラムネタ。Mファン89年11月号から「MOGUE」(モグー)です。
 「モグー」とは主人公の名前です。モグラみたいだからモグー。まんまな命名ですが、ともかく本作は石取りパズルゲームです(おい)。

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1面。まずは小手調べ。

 目的はモグーを操り、画面内の緑の石を全て拾い集めること。モグーは上下左右方向への移動が可能ですが、もちろん一筋縄ではいきません。なぜならモグーはジャンプして移動するから。カーソルキーを押すと、モグーはその方向にジャンプします。飛距離は3マス分。その間にある地形は飛び越えます。ですので狙った場所に到着するためには、ひととおり頭をひねることになるという次第です。ついでにこのジャンプのアニメーションがスムーズで、影の動きなど、跳ねている感じがよく出ています。
 着地地点にブロックがあれば、ブロック手前の床まで押し戻されます。緑の石だったら拾えますが、その跡が青い石に変わります。この青い石を踏んづけるとワンミスです。クリアにはこれら地形の特徴を利用したり勘案することが必須です。ゲームは全20面。高次面ほど難しくなっていきます。順にクリアするのもよいですが、ステージセレクト機能付きなので、どの面を遊ぶのも思いのままです。

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モグージャンプ中。影に注目

 マスを飛び越えて移動するコマの動きを考えるという点では、本作は「ナイトムーブ」等の桂馬跳びパズルに通じるものがあります。ただしアクションゲームである「ナイトムーブ」とは違い、腰を落ち着けて解くパズルとして味付けされています。時間制限はなく、邪魔してくる敵も存在せず、さらにどの面からでも遊べる面セレクト機能付き。じっくりパズルに集中できるのが非常によいところです。ギブアップ機能やできればアンドゥ機能も欲しいところですが、それはさすがに欲張りというものでしょう。

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隣のページに載ってたアクションゲーム「G-FORCE」。
そのヴィジュアルは当時中学生の荒井のハートを掴むのに十分だった。

 ちなみにこの作品、89年当時、荒井は全く注目してませんでした。というのもこの隣のページに掲載されていた「G-FORCE」のインパクトが強すぎたから。「G-FORCE」はザ・リンクスで即ダウンロードしたんですが、「MOGUE」を「再発見」したのは掲載から30年以上経ってからでした(おい)。
 こんな具合に見た目の地味さこそ否めませんが、本作は良質なパズルゲームで、感触の良い作品であることに違いはありません。そのとおり、高度なテクニックは使っていないが友人達から好評を得て、ゲームづくりに一筋の光明を見いだした、と作者さんはコメントしています。