何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

飛島に行ってきた

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舘岩から見る勝浦集落の図。これで島の南半分だ

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 というわけで先日少し触れたとおり、飛島に行ってきました。
 飛島は山形県唯一の有人島です。しかし山形県民がその名は知っているものの行ったことがない場所ランキングがあれば上位入りは必至だとかでないとか(おい)。荒井もかねがね行きたいとおもっていたところ、最近になってとんとん拍子に情報や条件が揃いまして、ならばとにかく行ってみようぜぇと行ってきた次第です。勢い大事。

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定期船とびしま。現在乗船には事前の予約が必要です。

 主な目的は飛島の柏木山の三角点を拝んでくることと、初夏に見頃を迎えるトビシマカンゾウを見てくること。さらにあわよくば島から鳥海山を眺めること。閑散期の平日は定期船が1日1往復就航しており、これに乗って行って来ることになります。

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バッカン積み込み中。島は磯釣り天国としても有名らしい

 午前9時半に酒田港を発ち、75分の航海で飛島の勝浦港に到着。港は出迎えに来た島の民宿の方や貨物の積み下ろしを待ち構える作業員の方々でひとしきり賑わっています。一日で島が最も活気づくのはこの入港の瞬間なのでしょう。

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島の南岸を廻る。見るもの全てが真新しい。

 百合島のウミネコの喧噪を耳にしながら島唯一の海水浴場小松浜を横断し、溶岩由来の荒々しい岩場が続く島南岸を回り込みます。遠目に烏帽子群島を眺め、小石に足を取られながら賽の河原を横切り、明神社にお参りしたら、森の小径で一気に柏木山へと登ります。


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柏木山を歩く。広くて快適な遊歩道。ところどころ開ける展望も申し分ない

 山の上は小さな森で、木漏れ日を浴びる気持ちのよい道が延びています。木々の途切れたところからは海が間近に望め、島の山であることを改めて認識させられます。

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一等三角点とその在処。白い箱のすぐ脇、リボンが結ばれた枝の下。
わかりづれぇ!(泣)

 三角点は分かりづらいところにあります。具体的にはアメダスの近く、白い箱の付いた柱の南側1mくらいのところ。なかば藪に埋もれてたので、見つけるのに難儀しました。
 この三角点は一等三角点です。柏木山の標高は約57.6m。「やまがた百名山」ではもっとも標高が低い山ながら、同百名山に13座ある一等三角点を頂く山の一座でもあります。

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経緯度観測点。飯森山の他、三崎峠の山中にも同じものがあるらしい。

 三角点のすぐ近くにあるコンクリート柱は経緯度観測点で、こないだ登った飯森山にも同じものが置いてあります。そのむかし大陸移動説を実証するために設けられたものだとか*1。飛島はその地勢から、近年日本ジオパークに認定されています。

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飛島大橋に至る歩道から東を見る。鳥海山の裾野が見えた。

 森の中の遊歩道が車道に合流するところから、海の向こうに鳥海山が浮かんでいるのが見えました。あいにくてっぺんは雲で隠れていましたが、初夏でこの程度見えてくれれば御の字でしょう。

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トビシマカンゾウ。こないだ三吉山で近縁種ニッコウキスゲを見て季節を知った。

 島の南を一周したところでもう一度海水浴場に行ってみると、トビシマカンゾウの小さな群落がありました。季節にはまだ少し早いようでしたが、これでなんとか今回の目的は全て果たしたと安堵し、再び少し磯を廻ってから港に戻り、帰りの船に乗り込みました。


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 これまで飛島は行きづらい場所、というイメージがありました。ですが一度行ってみると、行くだけならそれほど大変なことではないことがわかりました。日帰りも十分可能です。
 ただし日帰りで廻るにはつくづく惜しいです。平日の帰りの便は13時45分に島から出ます。日帰りでは島にいられる時間は3時間足らず。じっくり見て回るにはとても足りません。
 小さな島は新鮮な驚きで満ち溢れています。今度は宿泊して、もっと時間を取って見て廻りたいものです。


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*1:飯森山に登った際、観測点ではなく三角点自体が大陸移動説の実証に使われたのだと勘違いしてただよ(大汗)