何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「激突ホームランスタジアム」

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 打ち込みプログラムにも野球ゲームはありました。しかしそれほど数は多くなかったような気がします。いちばんの理由はおそらく、プログラムに詰め込むには野球のルールが複雑すぎるからなのでしょう。とにかくBASICで野球ゲームを作るなら、取捨選択とデフォルメが必要でした。
 というわけで本日ご紹介するのはその珍しいMSX用打ち込み野球ゲーム。Mファン90年2月号より「激突ホームランスタジアム」です。


 本作はホームラン勝負に特化した野球ゲームです。2チームで互いに攻守を繰り返し、どれだけホームランを打てるかを競います。守備側はボールを投げ、攻撃側はこれを迎え打ちます。
 1イニングに立つ打者は一人。打球がホームランになれば得点です。守備側は投球時に、内角高めや外角低め等、9種類のコースを選べます。同様に攻撃側も、どのコースを狙って打つかを選べます。コースが一致していると打たれる/打てる確率が上がります。この自分でコースを選べるところが、本作をより熱く面白くしています*1
 ストライクはもちろん、ホームラン以外の打球は全てミスとなります。ファウルは当然、ヒットさえも得点には結びつきません。3ミスで攻守交代、2チームそれぞれの攻撃が終わったところで1イニング終了です。
 バッターは各チーム3人いて、それぞれに打力が設定されてあります。イニングが変わると次のバッターが打席に立ちます。かくして全3イニングを争い、最終的に得点=ホームラン数が多いチームが勝ちです*2

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充実の試合モードが選べるスタート画面。観戦も可!

 本作にランナーやボール等の概念はありません。右打ち左打ちの区別もありません。実際の野球に比べ、ルールはかなり簡略化されています。しかし物足りなさを一切感じさせません。
 なぜなら本作の醍醐味は投打の駆け引きにあるから。駆け引きに特化するために取捨選択とデフォルメをした結果、このようなスタイルになったのでしょう。ゲームの作り方として非常に正しい方法論だとおもいます。


 ゲームは一人プレイも可能なら対戦プレイも可能で、さらにコンピューター同士に対戦させる観戦モードまで付いています。ただし選手データは固定で、先攻チームの方が強い選手がそろっているにもかかわらず、一人プレイの時は先攻チームが使えません。リストの選手データに手を加える遊び方も、Mファン編集部は推奨しています。

*1:飛距離や打った球筋がランダムくさいのが玉にキズ(おい)

*2:同点の場合は飛距離を記録した方が勝ちとなります