何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「Identical」&「貧乏流」

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「Identical」

 歳末プログラムまつり開催中(おい)。というわけでたまってるMSXプログラム本日は2本立て。まずはMファン90年1月号より「Identical」です。


 意味が分からなかったので調べました(おい)。「Identical」とは「同一の」という意味の英語形容詞。なるほどそのとおり、本作は「同一」を肝とする対戦ブロック崩しゲームです。
 開始すると画面上下に2本のブロックの帯が表示されます。上がプレイヤー1、下がプレイヤー2。帯の間ではボールが跳ね回ってます。プレイヤーはそれぞれの帯を左右に動かし、ボールを受け続けましょう。ボールが当たったブロックは壊れます。ですので次第に帯はボロボロになり、終いには穴が空きます。ボールを取りこぼして落下させてしまうと負け。残ったプレイヤーの勝利です。
 本作が「同一」を標榜するゆえんは、同一フィールド上で競うからではありません。上下の帯が実は全く同じものなのです。相手の帯のダメージは即自分の帯にも反映され、同じところが崩れます。自分が傷つけば相手も傷つき、相手が傷つけば自分も傷つく。まさに同一表裏一体の戦いが繰り広げられるのが本作の題名の根拠で、なるほど巧いアイディアだと膝を打ちました。

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「貧乏流」

 もう一本「貧乏流」も対戦ゲーム。題名は「ビンボール」と読みますが、フリッパーで球を弾くやつではなく、アタリの「PONG」のようなパドルテニスゲームです。見た目が貧相だから「びんぼーる」なんでしょうかね(おい)。
 さておき例によってパックを取りこぼさないよう、パドルで打ち合えばいいのですが、それだけでは何の変哲もありません。本作がただの対戦テニスでないのは、プレイヤーがそれぞれパックの軌道を操れるところです。ズルみたいな機能ですが、ゲームシステムがサポートしているんだからそれが正義というもんです(おい)。


 そのむかしベーマガの「BALL BALL」で兄になかなか勝てないもんだから、こちらがボールの軌道を誘導できるよう、プログラムを改造したことがありました。そしたらボールがやけにトリッキーな動きをするようになって、そのヒドさシュールさに爆笑したものでありました。
 明らかに不自然なパックの挙動がやたら可笑しいのは本作も同様です。勝負そのものよりも、いかにパックを性格悪く動かすかで盛り上がるのが、正しい遊び方でないかという気もします(おい)。