何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「かっぱまん」

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 去年はファンダム作品ばかり入力していたので、今年は他の雑誌のリストも積極的に入力しています。というわけで今回ご紹介するのはベーマガ84年12月号掲載の固定画面アクションゲーム「かっぱまん」です。

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エサは緑色の四角です。

 ぱっと見はいかにもマイコン時代のゲームです。主人公かっぱまんを操り、虫を避けつつ、クモが落とすエサを食べまくりましょう。かっぱまんは虫が苦手で、当たると死にます(おい)。にもかかわらずクモが落とすエサなんてシロモノを食って平気なのかというのはさておき、画面は8x8のグリッドで構成されます。かっぱまんはこの範囲内をマス目単位で移動できます。スクリーン3の粗い解像度が印象的ですな。

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当たると死ぬぜ。ひ弱だな(おい)。

 ただし移動するとまたいだグリッドの色が赤く変わり、障害物となってしまいます。赤いグリッドを超えて移動することはできません。ですので下手に動き回ると行き場を失い、追い詰められてやられてしまいます。エサを追いかけ回しつつ、常に逃げ場を意識しながら立ち回らなければならないというパズル要素が、面白さとなっています。
 一方、敵キャラの虫が移動したグリッドは、元の青色に戻ります。ここが実に巧いところで、画面中が赤くなってきたらやみくもにエサを追わず、敵を泳がしてグリッドを修復してもらうといった作戦も、高得点を狙う上で必要となってきます、

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カッパのお腹がスコアメーターになっているのが心憎い

 解像度の粗さや画面づくりに独特な技が必要だったからか、MSXのスクリーン3モードを使ったゲームはマイナーだった感があります。本作はこの扱いにクセのあるスクリーン3を巧く活かしたデザインが目を惹きます。画面右に表示されているカッパの絵はユーモラスな雰囲気をゲームに添えるとともに、お腹の部分がかっぱまんの満腹度=スコアを示すバーメーターになっているなど、欠かせない役割を持たされています。粗い解像度ゆえフィールド全体が狭すぎず広すぎない丁度良いサイズで、しかも色の変化が見やすくわかりやすく、遊びやすくなっていることも見逃せません。
 スクリーン3を使ったゲームにはひそかに佳作が多かったりしますが、本作もその一つと言ってよい作品です。