溜まってる1画面プログラムシリーズ。今回はMファン90年2月号から「あっちむいてホイ!」です。
本作はじゃんけん遊び・あっち向いてホイをMSX上で再現したものです。以上。(おい)
とまぁ、こう言ってしまえば身もフタもありませんが、ゲーム部分はこうだとしか言い様がありません。じゃんけん部分もあっち向いて部分も完全に乱数で手が決まるので、手を読み合う面白さはありません。乱数頼みのコンピューターじゃんけんの宿命ですな。ゲームオーバー等はなくMSXと延々勝負を続ける仕様で、いちいち勝敗数を表示してくれるところなど、コンピューターらしいです。
むしろ本作の注目すべき点は、スクリーン3で描画される「手」と矢印のグラフィックです。
描画にはMSXのDRAW命令を使っています。DRAWは専用のマクロ言語でグラフィックを描画する命令です。LINE命令以上に精細な描線が可能で、なおかつ命令文自体も短くできる利点があります。
そのDRAW命令のマクロに、90度単位での回転というのがあります。本作ではこれを使うことで、手と矢印の描画処理を大幅に短縮化しています。具体的には手と矢印の描画用データに、表示の際回転用マクロを加えることで、様々な向きの手や矢印を表示しています。ひとつのデータをうまく流用しているわけですな。
DRAW文は、うまく使えば非常に便利な命令で、少ないデータで凝った表現も可能です。本作はDRAW文の使い方のお手本とでもいうべきプログラムでしょう。