
今年はなかなかいいかんじにプログラムが入力できてます。というわけでMSXプログラムネタ。本日はポプコム87年9月号より「SEIZE」(シーズ)です。

本作は当時の定番中の定番、「ロードランナー」風アクションパズル。主人公Shakerを操り、怪獣Ghostを避けつつ、洞窟内の宝を集めようというゲームです。ゲームは全16面。各面全ての宝を拾えばステージクリアです。
ルールはだいたい「ロードランナー」と同じ。サイドビューで画面内には重力が働いています。上への移動はハシゴのあるところのみ。左右移動はロープや足場のあるところのみで可能。ただし穴は掘れません。一見壁なのに実は通れる「通り抜けられる壁」や、全ての宝を集めなくとも次の面へと進める「ワープゾーン」の存在が、独自の工夫でしょうか。「ロードランナー」にはない、探索する面白さが加わっています。キャラが16x16ドットと大きくて見やすいのはよいですな。
GhostはShakerを追ってきます。安全に動き回るには、うまく誘導して適当な地形に引っかけ足止めする、といったテクニックが必須です。どう動いてどこにハメるか、どんな順番で宝を回収するかを考えるのが、本作のアクション要素であり、パズル要素となっています。

ゲームとしてはそつなく遊べます。決してつまらなくはありません…しかしすごくおもしろいというわけでもなく…物足りなさをおぼえました。
やることは各面大きく変わらず、ワクワクする展開には乏しいです。工夫こそ見られるもののルールに傑出したものはありません。操作性も今ひとつ。全16面なのに4~5面あたりで「まだ10面以上もあるのか…」と面倒くさくなって、早々に飽きました(おい)。

宝を集めずともステージをすっ飛ばせるのは良いアイディアだとおもう。
繰り返しますが、当時「フラッピー」や「ロードランナー」の亜流のような投稿ゲームプログラムはそれこそよく見かけたものでした。ベーマガではこの状況を指して「同じようなパズルはもう飽き飽き」みたいなコメントをしばしば出しています。ボツになった分も含め、それこそ升で量って台車で運ぶほど似たようなゲームが寄せられ、編集部はうんざりしていたのでしょう。
それはポプコム編集部も同じだったのかもしれません。本作は「ロードランナーから穴掘りをなくしただけ」と厳しく指摘されています。出来自体は悪くはないんですが、亜流「ロードランナー」ゆえの凡庸さは否めません。

また、ポプコム編集部は「洞窟探検のゲームなのだから、もっと洞窟っぽさを出して欲しかった」と、グラフィックにも注文を付けています。しかし当時のゲームは、洞窟の地形もレンガで表されることがしばしばでしたから、自分はあんまり気になりませんでした。むしろ通り抜けられる壁のグラフィックに微妙な差を付けて、良く見ればわかるようにしてもらった方がありがたかったです。
主人公や敵のデザインは、ちょっとカッコよくて気が利いてます。