何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

今年の大散財

 先日の荒井のベストバイでは触れてませんが、今年のでかい買い物は、なぜか全部着るものでした。これまでファッションやオシャレというものとは無縁で、これからも無縁な予定の荒井にしては異例なことです。前だったらゲームとかハードとか、デジタル家電が大きな買い物になることが多かったものですが、よりによって服。それはやはり、家電品に比べて永く使えるものを、とかんがえているからでしょう。というわけで今年のでかい買い物について少々。

購入後3日に1回のペースで着て、目下1回洗濯。
柔らかくなる一番の利点はよりあったかくなること(おい)

・「米富繊維のリジッドカシミヤセーター」


 今年の2番目にでかい買い物。近所山辺町の米富繊維さんによるカシミヤ100%のセーターです。柔らかさが身上のカシミヤ製であるにもかかわらず、バリバリで固いです。なんでも強く撚った毛糸を度を詰めて編んだおかげで、この質感になっているのだとか。よく言われるカシミヤの「とろけるような」感触は全くありません*1。最初に袖を通した印象が「わはは。こりゃ確かにトレーナーだ!」。しかも紡績油のヘンな臭いまでするんだぜ(おい)*2
 しかし荒井はこれに「とろけるような」感触を求めて買ってません。頑丈で飽きずに永く着られそうな普段着を探した結果、それがたまたまコレだった、という方が近いです。一番の決め手は「毎日着ても毛玉ができないこと」。去年買ったふつうのセーターも最高に気に入ってるが、やっぱり毛玉は気になるんだ…
 やはりタフさを謳うだけあって、普段着として気兼ねなく着られます。しかも作りが上質なので、そのままよそ行きにもできるのが非常に便利です。それにバリバリでもカシミヤで度も詰まってるからそれなりにあったかい。着込むうち当初のトレーナーみたいな質感は徐々に薄れ、柔らかな風合いが出てきました。暑くなると紡績油の臭いでむせそうになるけどな(おい)

製造元・山辺の米富繊維社屋。
気に入ったモノを作る企業が近所にある僥倖。

 加えてこれが地元山形県産であることも、購入の大きな要因でした。米富繊維さんの製品は極めて上質なのに、デカロゴ等であからさまにブランドであることを主張しない上品さがあります。好みのツボにはまるモノを作っている企業が地元にあって、さらにそれが自分が必要としているモノならば、もはやこちらを選ばない理由はどこにもありません。しかも併設の直営店ですぐ買えるんだぜ。
 リジッドカシミヤ1着で、ユニクロのカシミヤセーターが5着ほど買えます。しかし荒井はメディアでしか見たことのない大金持ちの柳井会長よりも、近所の工場でいいモノを作っているおじさんおばさん達にこそ、しっかりお金を払いたいとおもうのです。

風通しのいいところにひっかけて保管中。コレだけで酒が呑めるぞ

・「バブアーのビューフォート」


 今年一番でかい買い物。バブアーのワックスドコットンジャケットの定番です。10年くらい前からバブアーはいいなとなんとなく気になってたところ、単車用ジャケットを新調するという名目が出来たので、おもいきって購入しました。
 最初のバブアーはド定番のビデイルにするか、他のにするかでけっこう迷う方も多いそうですが、荒井は迷いませんでした。便利そうでカッコイイとおもうやつ。近年は丈の短いスペイやトランスポートがはやりであっても*3、流行の移り変わりを考慮すれば、自分が一番カッコイイとおもうモノを選ぶのがいいに決まってます。それにビューフォートはまだメードインイングランドだし!(おい)


 はっきり申し上げます。バイク用ライディングジャケットだったら、これより廉価でより適切なものが数存在します。防水性能であれば、同等価格であるアークテリクスのベータジャケットの安いやつの方が遙かに上でしょう。
 汚れは表よりも裏地の方が気になります。少し暑くなるとてきめんに蒸れます。てか家で洗えません。しかし。そこであえて昔ながらのワックスドジャケットを選んだのは、それらの中で30年後もカッコよく着られるのは間違いなくコレだから、という確信ゆえでした。
 五十を超えると、自分の人生の終わりがぼちぼちと近づいていることをいやでも感じます。生きてせいぜい30年。だったら死ぬまで着られそうなやつを選んで着倒す方が無駄がない、という発想です。40年も定番であり続けている品ならば、その期待に応えてくれるんじゃないかな、と。

襟にブローチを挿してみる。バブアーもオススメのカスタマイズ

 7月末に買って8月中頃から着ている所見を述べますと、バイク用ジャケットとしてはなかなかよいです。防風性能はけっこうあります。襟を立てれば首元の寒さ対策はばっちりです。本体の防寒性能はそれほどでもないけどな。
 ダブルジップですので、下の方を開ければ足さばきにも困りません。なによりありがたいのは数々のポケット。特に大容量のゲームポケットと前立ての小物ポケットが非常に便利です。ハンドウォーマーポケットも、今の時期には助かります。
 バイク用として快適に着られるのは気温が10度から20度台前半まで。ファスナーを全開にすれば30度くらいでも行けますが、汗が気になるので盛夏の時期は着ないのが無難でしょう。洗えないことで一番面倒なのは裏地の汗汚れです。ですから着るなら夏でも長袖のインナーは必須です。あと案の定というか、コレを着て山登りするのはやめとけ(おい)
 防寒性能はそれなりなので、逆に寒い時期は、下にセーターなり着込むことになります。下に山用レインウェアをレイヤリングするのも、機能的にはかなりよい組み合わせだとおもいます。特性としては「古典的なハードシェル」とでもいったところでしょうか。着ると防御力が上がったかんじがします。
 ワックスドコットンの特徴である防水性能は「おもったよりは高い」というかんじです。土砂降りやアスファルトの路面が黒く濡れるような雨降りの中を突破する、というのはさすがに無理ですが、路面が湿る程度のぱらつく小雨だったらものともしません。


 よく言われる「バブアーは臭い」というのは過去の話です。臭いの原因だったワックスが改良されてから久しく、荒井が新品で買った状態では、全く気になりませんでした。むしろリジッドカシミヤの方が(おい)。
 ロイヤルワラントの威光か、バブアーは英国貴族の服、と捉えられることも多いです。でも荒井はこれがもともと働く人のための服だった、という出自にこそ惹かれます*4


 荒井が服を選ぶ基準は、基本CRPGの装備選びと同じです(おい)。この装備があればステータスが強化されるとか、特殊効果が付与されるとかいったあんばいで、いわば性能とか機能重視。この服にはこの小物やこの色を組み合わせるとか、こんなシルエットの服を合わせるといったことは全然考慮しておりません。CRPGのキャラの格好は、ステータス的には強くとも、コーディネイトという点では、案外ちぐはぐだったりするのかもしれません。


 それにしても物価というやつは上がりました。リジッドカシミヤもビューフォートも、5年前に比べたら相当に値上がりしています。それにモノというものはいつのまにやら手に入れづらくなりました。購入は抽選だとか数ヶ月待ちだとかで、欲しいときすぐに手に入れられないことがあたりまえとなっています。おそらく、十数年単位でこの傾向は変わらないでしょう。
 モノは安くなるということがなくなりました。必要なモノや必要になるだろうモノは、さっさと手に入れてしまう方がよいのかもしれません。

*1:米富さんの商品パンフレットでは、原産地でカシミヤに携わる人々にリジッドカシミヤを着てもらった感想を紹介しているのですが「カシミヤの良さがない」とまで言われてます。

*2:だが、それがいい

*3:もっとも、どれを選んでも後悔はしないとおもいます。

*4:見た目はおおむねドカジャンだ!…バブアー社はイギリスのドカジャン屋と認識することにします(おい)