そのむかしベーマガ等の雑誌で盛んに繰り返された箴言に「ゲームはアイディア」というのがあります。オリジナルゲームを作るのであれば、なによりユニークなアイディアこそが大事ですよ、という意味だったとおもいます。
しかし各誌に掲載されたゲームプログラムを数遊んでいると「本当に『ゲームはアイディア』なのか?」とおもうことがしばしばです。
遊んだときの面白さを何より左右するのは、とにかく操作性と難易度・ゲームバランスです。どんなに斬新でユニークなアイディアのゲームであっても、操作していて気持ちよくなかったり、理不尽に難しければ、遊ぶに耐えません。
はっきり言ってしまえば、アイディアはいいけれどそれ以外はさっぱりというゲームよりも、アイディアは凡庸でも操作性とゲームバランスが良好なゲームの方が、はるかに遊べることが多いです。
しかしそこからさらに上を目指そうとした場合、大きな差となるのが「アイディア」なのだとおもいます。アイディアは、最も手軽に他との差別化が図れる部分であり、作品の土台や柱となるものです。作るのであれば、まずアイディアが優れているに越したことはありません。おそらくベーマガや各誌が口を酸っぱくしてアイディアの大切さを説いたのは、そういうことだったのではないかとおもいます。
ユニークなアイディアとはなにも「他のゲームとはひと味違う」ということだけではなく、「他にはない駆け引きが楽しめる」「唯一無二なゲーム体験ができる」ことに必要なことなのだとおもいます。
遊べるのは操作性とバランスに優れるゲームですが、心に残るのは、アイディアが素晴らしいゲームです。