というわけで本日は入力が終わったMSXプログラムネタ。今回はポプコム84年12月号より「SEA DIVE」です。
80年代中頃まで、海底探検ゲームというものは非常によく見かけました。ダイバーを操作して海底に潜り、宝物を集めて浮上するというやつですな。たいがい画面には浮力が働いていて、ボタン操作で潜水と浮上を切り替えられるのが主流でした。この「SEA DIVE」も、そうした海底探検ゲームです。
目的は海底の金塊をすっかり拾い集めること。全て集めて海面(つまり画面最上段)に浮上すればステージクリアです。しかし海にはサメや金塊の横取りを企む敵・テリブルが存在します。サメに見つかったり、テリブルにぶつかるとワンミス。残機を全て失えばゲームオーバーです。

サメによるミス判定が、衝突ではなく見つかること=サメの前方にいること、というのが他とは少し変わっています。サメは海面近くに2匹います。まずはタイミングを計って間をすり抜け、海底を目指します。
ダイバーは酸素が続く限り行動できます。酸素は海藻を取れば若干回復しますが、悠長にいつまでも潜っていられるほどの余裕はありません。なるべく無駄のない行動を心掛けましょう。
テリブルはなんとなくプレイヤーを追ってきます。海中の地形は迷路のように入り組んでいます。うまくおびき寄せ、適当なところに引っかけて足止めしておけば、安全に行動できるでしょう。この地形が、ゲームに見た目の楽しさと、若干の駆け引きを与えています。

ゲーム自体は可もなく不可もなく、そつなく遊べる内容です。しかし細部の作りの荒さは気になりました。敵の動きはてきとうくさくてそれほど凝ってません。ゲームが始まるといきなりキャラクターが現れて動き始めるので、開始早々不意にやられることも多いです。さらにスプライトの水平方向表示制限のおかげで、キャラクターが横に並びすぎるとサメのグラフィックが欠けます。地形のパターンがひとつしかないというのも、ちょっとさみしいです。
欲張りといえば欲張りなんですが、ほんのちょっと気を遣って作るだけでもっと印象もよくなって面白くなりそうなだけに、惜しさを感じます。

ところで本作には、プリント由来のバグがいくつかあります。初期化処理の順番の問題で、スクリーン0から起動するとエラーが出てプログラムが止まります。また、地形データのキャラクターが化けています。以下のようにすれば修正できるのでどうぞご参考に。
・10行の冒頭に「SCREEN1,0:」を補う。
・150行および860行から1070行の文字を以下のように置き換える
「■」(四角)=>「●」(キャラクターコード133の丸)
「T」=>「あ」