今回は珍しく、Mファンやポプコム・ベーマガ以外の投稿プログラムのご紹介。「Pio」86年4月号掲載のもぐらたたきアクションゲーム「モグラの逆襲」です。
「Pio」は「I/O」誌で知られる工学社が発刊していたパソコン雑誌です。テクノポリスに対するプログラムポシェットみたいな立ち位置でしょうか。
誌名が「Program I/O」の略と言われるとおり、ゲームプログラムコーナーには特に力が入れられていました。様々な機種の作品が多数掲載されたことでも知られ、大作も数存在したようです。当時荒井は購読していませんでしたが、たまたま1冊いただく機会がありまして、今回のご紹介とあいなりました。Oさんありがとうございます!
ゲームはオーソドックスなモグラたたきです。5つの穴からひょこひょこと現れるモグラ「モグチャンJr.」の上にゲンコツを持って行って、どんどん殴っていきましょう。命中すれば+10点、外したら-10点。300点でカンスト、-100点でゲームオーバーです。紹介文によれば前作が存在したそうで、それゆえに「逆襲」を掲げているようです。
とはいえゲームはあんまり面白くありません(おい)。いちおうゲームエンドの条件は設定されてあるものの、非常に緩いので、プレイに締まりがありません。なかなか一局が終わらず、単調な展開がダラダラと続くので、飽きが早いです。「一定時間で強制終了」*1「カンストまでのタイムを競う」「3回お手つきでゲームオーバー」等々、ゲームを引き締めるようなルールが欲しかったところです。
いちおう100点を取るとステージクリアとなって次の面に進むのですが、難易度が上がるでもありません*2。ステージ制にあまり意味がないのも気になります*3。それで結果的にはオーソドックス以下の出来に(おい)。
プログラムの書き方にも無駄が見られます。本作ではなぜか8x8ドットのスプライトを4枚つなぎ合わせて16x16ドットのキャラクターを表示させているのですが、部分的にパターンを組み替えてアニメーションをさせているわけでもないので、4分割した意図が不明です*4。また、プリントのまま入力するとスプライトが一部正常に表示されません。
「ちょっと単調」と寸評でも指摘されたとおり、本作は全体的に作りが甘く、内容も単調です(汗)。86年当時ということを考慮しても完成度の低さが目に付くところが残念です。
おなじみの「単なる」モグラたたきゲームでも、面白くするにはそれなりの心遣いが必要なのかもしれません。