何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「THE HOUSE OF SLIME」




 というわけで今年もぼちぼちとMSXプログラムの入力を進めております。というわけで新年1本目はベーマガ87年6月号から「THE HOUSE OF SLIME」です。

ゲームスタート。まずは「物落とし技」に慣れよう

 ジャンルとしてはサイドビューの固定画面アクションゲームです。ストーリーは例によって「捕まった!さぁ、脱出だ!」というやつ(おい)。本作の主人公・KUM(コウム)君が閉じ込められたのはスライムの館です。スライムだからといって粘液でベタベタとかいったことはなく、ふつうにレンガとブロックという、打ち込みプログラムらしいパーツで構成されてます。
 KUM君は「物落とし技」なる術が使えます。頭上にある物体を落とせるというもので、これを使って道を作り、制限時間内に扉にたどり着けばステージクリア。落としたハシゴや墓は自分にぶつかっても平気ですが、ブロックだとミスになるので注意しましょう。

ステージクリア。画面の点滅やフェードなど演出にも凝っている

 クリアにはどこで「物落とし」のアクションを使うかを考えることが大事です。加えて、道を作るためにブロックを落としたらぶつかる前にすかさず退避するといったアクションも必要ですし、制限時間があるのでぐずぐずもしていられません。つまり本作はパズルアクションとでも言うべき内容で、これが面白さとなっています。
 プログラムはマシン語も使用。動作速度はまずまず速いです。発動すると頭上の物体がじりじりと迫ってくる「物落とし技」のギミックには、操作する楽しさがあります。序盤から中盤にかけてはアクション要素とパズル要素がうまく両立したステージが揃っており、なかなか面白く遊べます。てか前半部分はかなりいいかんじ。

ゲームはパズル要素も強い。まずはSTOPキーを押して廻り方を考えよう

 しかし高次面に進むと、少々無理が見えてきます。高次面では迅速かつシビアな操作が必要になってきます。しかし残念ながら、本作はキー反応がそれほど良くはありません。クリアには正確なキー捌きが求められながらも、これを決めるのがなかなか厄介で、確実な操作ができないのです*1
 かなり厳しいことを申し上げますと、操作性がステージのデザインに追いついていません。求められるアクションに十分耐えうる操作性ではないのです。ゲームそのものは相当感触が良く、「アクションを駆使して解くステージ」という狙い自体も極めてまっとうで素晴らしいアイディアなのですが…

高次面から。求められるアクションに対して操作性は十分とは言えない

 ここで荒井がおもいだしたのはMファンの名作「タコ&イカ」(90/4)でした。高度なキー操作が必要な面クリア型の固定画面パズルアクションゲームという点で、本作と共通するものがあるのですが、こちらは抜群の操作性を備えていました、そのおかげで少しの習熟で難しいアクションが十分にこなせるから、それを活かしたステージも実現できるという絶妙さがありました。

「タコ&イカ」。操作性が良いからこそ可能なステージデザイン

 操作性の善し悪しは、できるアクションをてきめんに左右します。「アクションをこのように使ってこういう解き方をして欲しい」という意図を活かすには、それを実現できる操作性がまず必要であるし、それが用意できないのなら、せっかくの攻めたステージデザインも台無しになるということを強く感じたのでありました*2。本当にもったいないなぁ!


 なお、本作はマシン語やステージデータをディスクのワークエリアに配置しているため、そのままDisk-BASIC上で動かすと途中でバグってゲームが進まなくなります。改造する方法もあるんでしょうが、めんどうくさいのでテープイメージ化して動かしました(おい)

*1:さらに敵・スライムの動きには乱数が絡みます。正確なキー捌きができても、運が悪いと敵が邪魔で全くクリアできないという局面がありまして、これがまたストレスが溜まります。

*2:反対に、現状の操作性で十分成立するステージデザインに留めておけば、問題なく楽しめるということになるかもしれない。