かなり間が開いてしまいましたが、例によってプログラムは毎日入力してました。「幽霊君」に夢中になるあまり、デバグがさっぱり進まなかっただけ...(おい)
というわけで満を持して3ヶ月ぶりにご紹介するのは電波新聞社「MSXプログラム大全集」収録のパズルゲーム「ICE CARRIER」です。
オリジナルはFM-7用で、それをMSX用にグレードアップ移植した、というのがこの作品です。MSX版作者のマーコンさんは、主にイラストで活躍したベーマガの常連投稿者です。ですのでキャラクターや文字フォント等、けっこう凝ったグラフィックが目を惹きます。配色がまるでP6ゲームみたいですけど(おい)。
ルールは主人公「インテリ君」をあやつってブロックをうまく動かし、星マークを三つそろえること。当時数多く見かけた名作パズル「ペンゴ」フォロワーとでもいったところでしょうか。
残念ながら荒井はオリジナルのFM-7版を知らないのですが、ちょっと調べてみたところ、MSX版はオリジナルとも多少ルールが異なるようです。
一番特徴的なのは、氷のブロックの挙動でしょう。
ブロックは押せば1キャラ分動きます。先に障害物があれば動かせません。そのかわり押した方向の並びに星マークがある場合、押したブロックが壊れます。これがクリアの鍵。基本的にブロックは邪魔者なので、余計なブロックをいかに消していくかが肝です。
もっとも、大半の面は厳密な解き方があるわけでもなく、おおざっぱに動かしても初見でなんとなく解ける程度ですので、パズル部分の難易度は低めです*1。
そのかわり、敵「ニコニコおばけ」と制限時間の存在が、プレイヤーを悩ませます。ユルすぎず厳しすぎずちょっときつめの絶妙な間合いと速度で追っかけてくるおばけにつかまるとワンミスです。また、制限時間を超えてもワンミスです。また、星マークを三つ並べただけではクリアとならず、並べた上で横から押してやらないと、そろったことにならないというルールも無視ができません。
面数はボリューム満点の全36面。中には狭い空間でおばけをかわし続けるステージや、ギリギリのタイムしか与えられないステージありで、バラエティにも配慮されています。
このゲーム、入力自体は3月中には終わっていたのでありますが、デバグにすっかり手間取ってしまいました。理由は主に3つ。36面というボリュームと、隠し要素の多さと、操作性の悪さでした。
マーコンさんはプログラム解説で「このゲームには10個近くナゾが隠されている」と明かしています。できあいのプログラムを入力する場合、隠し要素の確認も必須の作業であります。そのためにはプログラムを読んで仕様を調べあげ、プログラムの意図どおりに隠し要素が再現できるかあれこれ試さなければまりません。数が多ければ当然手間は増えます。
特定のキーを押すと隠しデモが見られるとか、ゲームオーバー時にコンティニューできるというのはラクなほう。30面以降になりますと、特定のブロックを押すとインテリ君がワープするとか邪魔なブロックが消えるといった隠し要素がありまして、これを確認するのに手こずりました。
さらにプログラムはオールBASIC。オールBASICでいろいろ凝ったことをやってるしわ寄せか、操作性が劣悪です。反応が遅くて意図に動作が付いてきません。同じ頃に操作性抜群の「幽霊君」をやっていたおかげで、思うようにキャラクターが動かせないストレスたるや相当なもの。「幽霊君」ネタにかかりきりだったこともあり、そんなこんなでデバグがすっかり後回しになってしまいまして、ご紹介がすっかり遅くなってしまったのでありました(おい)
とはいえ操作性がよくない以外は音楽・グラフィック・ゲームシステム等々、どれをとっても趣向がよく凝らされた力作。9ページにわたる長大なリストにふさわしい内容の作品です。