
MSX2は登場から普及まで、2年を要しました。その影響か、専用の自作プログラムを雑誌で見かけるようになったのは、発売後しばらく経ってからでした。今回ご紹介するのはベーマガ発MSX2専用ゲームプログラム第2弾「Snow Cape」。87年3月号掲載です*1。
作者さんは女性だったのか、グラフィックや設定がかわいらしい作品を数投稿しています。本作はその作者さんによるMSX2用アクションゲーム。主人公モコちゃんを操り、幸福を呼ぶ「しあわせうさぎ」を捕まえるのが目的です。森ことフィールドには雪の妖精が2匹住んでいます。これを合流させると、そこにうさぎが出現します。面数+3匹のうさぎを捕まえれば面クリアです。

妖精はそれぞれ動きが違います。1匹はランダム、もう1匹はモコちゃんを追ってきます。この習性を利用して、うまくおびき寄せ合流させましょう。妖精どうしはぶつかってもOKですが、モコちゃんとぶつかるとワンミスです。また、出現したうさぎは、穴を残して一定時間で消えてしまいます。現れたらすぐに捕まえないといけないばかりか、穴は障害物となるので、出現するほどどんどん動きづらくなります。一応時間制限もあるので悠長にしてもいられません。

ルールは明快。やるべきことはわかりやすいです。BGMとして「雪」も流れます。しかしゲームはいまいち面白みがありません。
フィールドは木を格子状に配置しただけの単調なものです。面が進んでも同じなので、先を見たくなる魅力には乏しいです。
そして何より、妖精の動きがよくありません。追跡は厳しいし、ランダムで進路は読めないしで、2匹を合流させるのは至難の業。さらに逃げるにも地形が邪魔をするので、すぐに追いつかれてしまいます*2。苦労してうさぎを出現させても、追いかけの厳しさと出現時間の短さのせいで、なかなか捕まえられないこともしばしば。おかげで難易度が妙に高いので、早々に飽きました。

同様のゲームとしておもいだしたのは、以前紹介した「オバケくん」です。こちらも「敵をぶつけ合う」ことが要のゲームながら、なかなか楽しめるゲームに仕上がっています。その理由はなんと言っても動きの良さ。すんでのところで敵をかわしたり、うまく誘導してぶつけ合ったりと、スリリングな応酬が楽しめます。障害物が全くないというのも、縦横無尽にフィールドを動き回れる気持ちよさにつながっています。
やはりアクションゲームは動きを楽しむゲームです。自機を動かす気持ちよさ、敵の動きの面白さ等々、動きがよくなければいけません。「Snow Cape」はそこが不十分で、せっかくのかわいいキャラクターを生かし切れていないのが残念です。