何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「CRAZY TOWER」

「見た目」は本当に悪くない、むしろ良い。

 何もすることがないつれづれに任せて、今年は正月からゲームプログラムを1本打ち終えてしまいました。というわけで本年最初のMSXプログラムネタ。ポプコム87年8月号より「CRAZY TOWER」です。
 一言で言えば、ビルを登っていくアクションゲームです。ゲームを始めると、画面に階層状のビルが表示されます。各フロア、左端からスタートして右端まで行けばその階はクリア。天井からぶら下がっているハンドルに捕まって、次の階に登ります。次の階も同様に、左端から右端へ…といったぐあいにどんどん登っていきましょう。

ゲームスタート。とにかく画面右端を目指そう。

 ただし、床はところどころに穴が空いています。さらにベルトコンベアのように流れます。黙っていれば左に流され、穴に落ちてしまいます。落ちればワンミスです。穴はジャンプで避けられます。穴を避けつつ、絶えず右端目指して走り続けなければ、次の階へは行けません。そればかりか、各階にはモンスターまで生息しています。これにぶつかっても当然ワンミス。残機を全て失えばゲームオーバーです。
 5フロア登り切ればラウンドクリア。ボーナス獲得の上、次のラウンドへと進みます。ゲームはエンドレス。登れるだけ登って、ハイスコアを競いましょう*1

狭い足場めがけてジャンプ! 踏みきるタイミングが肝心だ

 ルールは至って明快。ゲーム自体は「原始的な」プラットフォーマーアクションです。それを次々にフロアをクリアしていく形式に仕立てたのが、本作ならではの見せ方でしょう。
 見た目は上々。オープニングでは主人公がビルに突入したり、フロアクリア時にはハンドルに掴まって次の階に上るデモが見られます。文字もオリジナルのフォントに書き換えて使うという力の入れよう。音楽もプレイ中のBGMこそないものの、区切りに流れるジングルはけっこう手が込んでいます。キャラクターこそ小さいながら、外観はなかなか悪くありません。 

モンスターと衝突! 挙動は単純だが非常にイヤらしい

 しかし。プレイした感触はそれほど良くはありません。動きのぎこちなさが目に付きます。床のスクロールはガタガタ。自機の挙動も8ドット単位です。挙動がスムーズではないので、ジャンプの踏み切りのタイミングが掴みづらいです。無印のMSXなので1ドット単位のスクロールは無茶だとしても、よりスムーズな動きを実現した、同様MSXゲーム存在します。ジャンプで避ける動作は本作の肝であるだけに、もっと頑張ってほしかったところです。

ラウンドクリア。塔を登るゲームなのにあんまり登ってる感じがしない。

 それに加えてモンスターの動きが全くイヤらしいです。床とほぼ同じ長さで流れてくるだけなんですが、それゆえきわどいジャンプを決めるためのまさにその踏み切るポイント上に居続けることがしばしば。非常に邪魔でストレスが溜まります。もうちょっと動きに気を遣えなかったのか…と遊んで不満が募ります。
 本作の操作性は「反応が大雑把なのに繊細な操作をさせられる」というもの。「大雑把な感覚で繊細な操作ができる」という、理想の操作性とは真逆のものです。

あえなくゲームオーバー。もっと感触が良かったら!

 多少うまくなれば進めるようにはなりますが、とにかく弄っていて気持ちよくありません。感触が良くなくて、遊ぶうちにもういいや…となってしまいました。見た目や作りがなまじいいだけに、肝心な部分の作りの甘さが残念です。

*1:スコア用変数は整数型である上、カンスト処理をしていない。なので3万余点取った時点でOverflowが発生して止まるとおもう