何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「ミッドナイトチェイスパート2」




21年前の今日はMSX2版「イースII」の発売日でしたがそれはさておき、
本日紹介するのは同じ続編でも先日紹介した「ミッドナイトチェイス」の続編、
ログイン1986年6月号掲載の「ミッドナイトチェイスパート2」です。
制作者は前作と同じ高原保法さん、
物語は前作の続き、某社社長の屋敷から重要機密書類を盗み出すというもので、
ゲームは前作の終わり、屋敷に忍び込んだところから始まります。
屋敷は地上4階地下1階屋上付きで、書類はこの中のどこかに隠されていますが、
もちろん幾重もの謎と罠によって守られており、一筋縄では手に入りません。
そこでプレイヤーの頭脳と腕前が試されるというわけです。





本作は前作同様のアクションアドベンチャーゲームですが、
「すぐ終わる」といった前作の反省点を踏まえ、様々な改良が加えられています。
マップが広くなったり、アイテムやコマンドが増えたというのはもちろんですが、
基本的に左右移動のみ、アイテムは自動で選択という前作と異なり、
上下移動が可能になり、使用するアイテムや使う場所もプレイヤーが任意に選べるようになりました。
このおかげで本作は単純にボリュームが増えただけではなく、
探索する面白さや試行錯誤しながら解く面白さがぐっと増しています。





前作との大きな違いは、持ち歩けるアイテム数に制限ができたことでしょう。
プレイヤーが持てるアイテムは3つまでで、全てを同時に持ち歩くことはできません。
たとえば高いところにあるアイテムを取るためには足場が必要なのですが、
常に持ち歩いているとアイテム欄に余裕が無くなるため、
使うときだけ持ち歩くといった工夫が必要になります。
制限内で所持アイテムをとっかえひっかえさせるパズル要素を盛り込むことで、
前作にはない新しい面白さが加わりました。
試行錯誤が必要になった分、クリアに必要なコマンド数は前作の倍以上に増えたため、
「パート2」ではセーブもできるようになっています。
解法を知っていれば30分程度で解けるのですが、
そこに至るまでには、何度もセーブのお世話になることでしょう*1






ヌルヌル動く大きなキャラクターももちろん健在で、
飛んだり跳ねたり殴ったり罠に引っかかったりと、本作でも楽しいアクションを見せてくれます。
要所要所にはアクションを活かしたミニゲーム仕立てのイベントも挟まれ、ゲームを盛り上げます。
改めて「パート1」「パート2」を通しでプレイしてみると、
ボリューム、謎解き、アクション等々、「パート2」はあらゆる面で
「パート1」を越えることを意識して作られてるなと感じますね。
前作の持ち味や良い点を活かしながら、新しいアイディアや要素が盛り込まれ、
「パート2」はさらに面白い作品に仕上がってます。





「パート2」は前作以上に様々な要素が詰め込まれた分、リストも長大になっています。
前作ではメインプログラムとグラフィックデータが同一プログラムに収まっていたのに対し、
「パート2」では、グラフィックデータ書き込みプログラムが独立し、
メインプログラムとは別になっています。
自分は中学生の頃、一週間以上かけて入力したのですが、
これが実際に動いたときには、いろんな意味で感激したのを覚えています。
投稿プログラムなのに市販ゲーム並によく動く! グラフィックが綺麗! 面白い!
このようなゲームプログラムをあたりまえに掲載できるのが、
なんといってもログインの強みでした。


ちなみに「ミッドナイトチェイス」は、改良して市販化する計画もあったそうで、
うまくすれば1986年の年末には市販ソフトとして店頭に並ぶ予定だったようですが、
出ていないことから察するに、立ち消えになったようです。
もし市販化されていたら、今頃「ミッドナイトチェイスパート1&2クロニクル」なんてゲームが、
出ていたかもしれませんな(おい)。
てか個人的にはそっちの方が欲しい荒井でした。

*1:ちなみにセーブとロードにはアイテム「テープ」が必要になる。時代を感じさせますな。