何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「WERT」

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 というわけで本日もプログラムネタ。Mファン89年10月号より「WERT」です。
 「WERT」は「ウェルトゥ」と読みます。コレは主人公の名前。本作はその主人公WERTを操作し、相方TREWをゴールまで誘導するというパズルゲームです。オブジェクトをゴールまで導くタイプのアレですな。

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難関の3面。熟慮の上の慎重な行動が必要だ。

 TREWはWERTとXまたはY座標のいずれかが合った際、WERTがいる方向に1マス移動します。ただしTREWは画面内に配置されてあるブロックの上しか動けません。ブロックからはみ出したらその瞬間にアウトです。逆にWERTは何もないところしか動けませんが、ブロックを押して動かすことができます。

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最終面クリア。1画面プログラムながら遊びごたえ十分。

 この習性を利用して、TREWがブロックから落ちないよう、よく考えてうまく立ち回りながら通路を作るのが本作の骨子です。文章にすると長たらしいですが、遊ぶうち感覚的に理解できる程度にルールが明快です。時間制限もお邪魔キャラも存在しないので、じっくり考えて解く面白さが存分に味わえます。
 さらにこのゲームは一画面プログラムながら、ステージ数はなんと7面。失敗してもそのステージの初めからやり直しとなるだけで、テンポよくリトライできるのもいいところです。全ての面をクリアしたら、簡易ステージエディターでオリジナル面を作って遊ぶことも可能。このエディターはMファン編集部謹製で、このゲームが編集部でも好評だっただろうことがうかがえます。

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必要十分なステージエディター。オリジナル面を作って遊ぼう。

 この手のパズルゲームは升で量るほどあるので、一歩抜け出るためには他より秀でたものがなければなりません。その点リストの短さ、わかりやすさ、遊びやすさ等々、この「WERT」はなかなか優秀なものを備えています。