MSX打ち込みプログラムの歴史はMSXの歴史と同じくらい古いものです。気がつけば齢30年を迎える作品も現れました。
今回紹介する「DIAMOND FIELD」は月刊マイコン84年10月号掲載。ちょうど30周年を迎えた作品です。
その昔、「チクタクバンバン」というおもちゃがありました。レールが刻まれたパネルを「15パズル」式に入れ替え、その上を進む車輪付きの「時計」を、脱線しないよう誘導するというゲームです。友人イズミくんのおねえさんが持ってて、遊んでるのを見たことがあります(おい)。ちなみに発売は同じく1984年1981年12月。販売元の野村トーイは今はもうありません。
本作「DIAMOND FILED」は、その「チクタクバンバン」風アクションゲーム。レールに従って進む自動車を導き、レール上に散らばるダイヤモンドをすっかり拾っていくゲームです。
さすが本作はコンピューターゲーム。「チクタク」では作り得ない様々なフィーチャーが存在します。同じくレール上を走る敵の車、敵をやっつけられるパワーアップアイテム、勝手に移動方向を変えるアイテム等々。「チクタク」風ゲームは数あれど、「チクタク」とほぼ同期にこれだけのことをやっていた例は珍しいと思われます。
その分ゲームはちょっと複雑で、「チクタク」以上に頭がこんがらがります。それはフィーチャーの多さはもちろん、実際に手を使う「チクタク」のように直感的にパネルを入れ替えられないという、PCゲームゆえの問題でもあるのでしょう*1。全体的に出来はよく、レールに従って走る車の挙動を見ているだけでも飽きません。
作者によれば、本作はかつて月刊マイコン誌に掲載された似たようなゲームを参考にしたとのこと。「チクタク」とはあまり関係がないようです*2。むしろ「パックマン」や「ラリーX」といった、ナムコ往年の人気作の影響が強いように思われます。ゲーム開始やクリアのジングルは「リブルラブル」の奇跡のテーマや「ラムのラブソング」。当然といや当然ですが、改めて30年前、80年代前半に作られたゲームであることを感じさせられます。
当時イズミくんのおねえさんに「DIAMOND FIELD」を渡したら、「チクタク」とどっちに夢中になったことでしょう(おい)。