何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

続・MSX名作20選

Los 20 mejores juegos de MSX | Hobbyconsolas


MSX名作20選 - 何とか庵日誌


 先日、スペインのゲーム情報サイトでMSX名作20選が発表されたということで、荒井ならこうするというお話をしました。あれから「MSX用ゲームから名作20本を選ぶなら」とわりと真剣に考えまして、こんなところに落ち着きました。優劣をつけようというものではなく、飽くまでMSXならではの好いゲームということで列挙してます。


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1:「グラディウス2」~1987年・コナミ・MSX1以降・1M ROM


 性能で劣るならデザインや独自要素で補う。かくして生まれた、MSX独自の進化を遂げたグラディウス
 SCC、アップレーザー、ヴェノム博士。MSXユーザーならば知らない者はなし。コナミはもちろんMSXを代表する一本と言っても過言ではない。


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2:「夢大陸アドベンチャー」~1986年・コナミ・MSX1以降・1M ROM


 コナミMSXオリジナルタイトルの代名詞的作品。MSX初期の「けっきょく南極大冒険」からの大幅なグレードアップは、SCC以前のコナミMSXの変遷でもあったのではないか。
 大学にいた頃、同級生のケン君とMSXの話題になり、たまたまその題名を口にしたら、彼が急に目の色を変えて熱く語り出した。MSXユーザーにとってそれくらい特別な作品。


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3:「魔城伝説II ガリウスの迷宮」~1987年・コナミ・MSX1以降・1M ROM


 「夢大陸」と並ぶコナミMSXオリジナル作品「魔城伝説」シリーズ。その中でもっとも人気が高く、シリーズの顔と見なされているのが「ガリウス」。
 満載のアイディアや、作品によってジャンルが変わるところに、コナミMSXで見せた挑戦心を感じる。デカキャラのグラフィックには度肝を抜かされた。


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4:「メタルギア2ソリッドスネーク」~1990年・コナミMSX2以降・4M ROM


 後世に最も影響を与えたMSXタイトルの筆頭。MSX2の非力さがステルスゲームを生み出した逸話はあまりに有名。
 「メタルギア」の2作目で、後のシリーズの基本はこの作品で確立された。かの小島秀夫「監督」がその作家性を強く打ち出した初のシリーズという点でも意義深い。


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5:「テセウス」~1984年・アスキー・MSX1以降・ROM


 驚異のMSX1ドットスクロールはもはや伝説。本作の作者の一人が後にゲームアーツで「テグザー」を手がけ、同社の基礎を作ることになった。その「テグザー」の元となった作品の一つとされている。これなしでは「シルフィード」も「ファイアーホーク」も、果ては「グランディア」もなかったかも。
 市販ソフトの他、ポケットバンクシリーズのサンプル等々、ゲームアーツMSX界への貢献は密かに高い。


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6:「ガルフォース カオスの攻防」~1986年・ソニー(開発HAL研究所)・MSX1以降・1M ROM


 数々の本体を生み、ソフトを送り出したソニーMSXになくてはならない存在。
 HAL研MSX初期に数々のソフトを制作した名門。その二者がタッグを組んだのがこのメガROM勃興期の良STG


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7:「妖怪屋敷」~1986年・カシオ・MSX1以降・ROM


 PVシリーズやMXシリーズといった激安MSXを生み出したカシオなしでは、MSXはこれほど広まりはしなかった。そしてユニークなソフトもあれこれ出していた。当時のMSXユーザーなら、何らかの形でカシオとは縁があったはず。
 そのカシオの最高傑作アクションゲーム。その後ファミコンに移植されたことが、その出来のよさを表しているのではなかろうか。


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8:「ザナドゥ」~1987年・日本ファルコム・MSX1以降・2M ROM


 日本ファルコムMSX最高傑作。キャラクターこそ単色だが、かの「ザナドゥ」を不足なくMSX1で再現。そればかりか、操作性やシステム面でも他機種の一歩先を行く。劣化移植があたりまえだったMSXにおいて、オリジナル以上のものを実現してみせた名移植の好例。


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9:「ドラゴンスレイヤーIV」~1987年・日本ファルコム・MSX1以降/MSX2以降・2M ROM


 「ザナドゥ」と並ぶファルコムMSX用ゲームの秀作。ファミコンMSXシリーズのみの発売。
 御三家ハードでは遊べなかったので、MSXユーザーはちょっとだけ優越感を覚えた。中でも白眉はBGM。古代祐三さんによるPSG楽曲はMSX界至高。


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10:「ランボー」~1985年・パック・イン・ビデオ・MSX1以降・ROM


 「ヤンシャロ」「軍人将棋」「シルヴィアーナ」等々、パック・イン・ビデオは地味によいゲームを発表していた。
 そのデビュー作である良質なARPG。そのアクションの軽快さは当時屈指のもの。「クソゲーメーカー」と呼ばれる一方で「川のぬし釣り」や「牧場物語」といった良作を発表する懐の深さの片鱗はこの初回作に現れている。


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11:「ハイドライド3」~1987年・T&Eソフト・MSX1以降/MSX2以降・4M ROM


 歴史的名作「ハイドライド」シリーズの3作目にして最後の「アクティブRPG」。ゲームが難しかった時代、パソコンがマイコンと呼ばれていた時代の総決算的作品。そのオリジナルの一つが、X1やFMをさしおいてMSXシリーズというのは、ゲームの転換期であり、MSXの絶頂期でもあった、当時という時代を象徴しているように思われる。
 グラフィックの美しさならMSX2版だが、MSX版の遊びやすさも素晴らしい。


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12:「アンデッドライン」~1989年・T&Eソフト・MSX2以降・2DDx1


 T&E渾身のSTG。難易度こそ高いがギミックが豊富で飽きさせない。MSX2を使いこなした一本。
 「レイドック」が一番有名だが、それ以外にもT&Eは古くから様々なSTGを作ってきたSTGメーカーでもあった。


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13:「アニマルランド殺人事件」~1987年・エニックス・MSX1以降・1M ROM


 かつてエニックスといえばAVGの会社だった。そのエニックスが送り出した、最初にして最後の、そして最高のMSXオリジナルAVG
 エニックスらしい高い品質で、その出来は数ある名作にも引けを取らない。ほのぼのとしたヴィジュアルに託して繰り広げられるハードで重いテーマが胸に残る。


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14:「サイコワールド」~1988年・ヘルツ・MSX2以降・2DDx1


 ヘルツの代表作。知名度こそ低いが、ヘルツはMSX2の性能を活かしたオリジナル作品をいくつか生み出したソフトハウス。中でもバランスが良く、遊びやすいのがこの作品。良質なサイドビューアクションゲーム。ゲームの面白さを損なわない四方向へのスムーズスクロールはMSXユーザー一見の価値あり。 
 VDPの遅さやスクロールの制約をどう克服するかは、MSX2プログラミングのテーマの一つでもあったように思われる。


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15:「ザナック」~1986年・ポニカ(開発コンパイル)・MSX1以降・ROM


 コンパイルSTGの基礎となったことや後への影響の大きさはもちろん、それを送り出したポニカの功績も無視できなのではないか。
 ポニカはMSX界に数々の迷作名作を送り出した有力パブリッシャーでもあった。


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16:「魔導物語1-2-3」~1990年・コンパイルMSX2以降・2DDx4


 80-90年代のゲーム界を語る上で、コンパイルの存在は欠かせない。そのコンパイルに空前の繁栄と衰退をもたらしたタイトル。そういう意味で後世への影響力は「メタルギア」と並ぶものがあるのでは。
 ゲーム自体は意欲的な試みが目立つ3DRPG。とりわけ「猫庭王」米光一成さんや氷樹むうさんらによる独特の世界観とキャラクターが一番の魅力。


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17:「アレスタ2」~1989年・コンパイルMSX2以降・2DDx3


 MSX2究極のSTGMSX初期から育まれてきたコンパイルSTGの到達点のひとつ。スピード感、操作性、敵の数等々、MSX2の限界に迫る前作「アレスタ」のさらに上をゆく。


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18:「フレイ」~1991年・マイクロキャビン・MSX turbo R・2DDx5/MSX2・2DDx4

 マイクロキャビンはMSX初期から様々な作品をMSX界に提供していた。そんなマイクロキャビンMSXを代表するオリジナルタイトルといったらなんといってもこれだろう。お気楽なノリで、「Xak」譲りの映像演出が楽しめる。


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19:「幻影都市」~1991年・マイクロキャビン・MSX turbo R・2DDx8


 「SUPER大戦略」「フレイ」「プリメ」等々、マイクロキャビンの末期MSXへの貢献は目覚ましいものがあった。そのマイクロキャビンが送り出したMSX最後のオリジナル「大作RPG」。専用ソフトが少なかったtRにおいて、tRのデモソフトとしても貴重な作品。


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20:「ボルフェスと5人の悪魔」~1987年・クリスタルソフト・MSX1以降・1M ROM


 最後は荒井の好み。知る人ぞ知るARPGの名作。スプライトを駆使しまくったアクションには驚嘆。
 MSXを使いこなした作品の一つと言って良いのでは。


 さて、「レイドック」「ハイドライドII」等、歴史的意義は無視できないもののゲームとして現在遊ぶとなると厳しいものは泣く泣く割愛しました。それと「イースII」「ヴァリスII」等々、出来はよいものの、MSXならではというものでもない作品も割愛してます。また、自分がそれなりに触れて知っている作品でないと語れないため、所持していない作品や、遊んだことのない作品はあえて入れていません。「エッガーランド」「アイスワールド」「激ペナ」等々も名作という評判は聞いているのですが...
 ともあれ、この20選は飽くまで荒井が選んだものです。人によって「何でこのゲームがないの!」「このゲームが入ってるのはおかしい。」等々の意見があることでしょう。みなさま方のご意見などお聞かせ願えるとさいわいです。


おこのみ実験場〜MSX名作20選+5


 その後いろいろ付け加えた上で拙サイトのネタにしときました。いちおうリンク張っときます。