何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

小又山に登ってきた

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七合目あたりから見る小又山の図

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 梅雨も明けたということで登りごたえのある山に行ってこようと、このあいだ、小又山に登ってきました。
 小又山は神室連峰の一座です。場所でいうと神室山と火打岳の中間。標高約1367m。1.5mほどの差で神室山よりも高く、神室連峰最高峰として鎮座しています。前々から気になっていたところ、先日火打岳に登った際にその山容を遠望するうち、いよいよ登りたくなって行ってきたというわけです。

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林道を3km強遡ると現れる堰堤。ここが林道終点だ。

 今回登ったのは西ノ又コース。最上町の白川渓流公園から延びる林道のどんづまりが登山口です。数ある小又山登山道では比較的アクセスもよく、最も山頂に行きやすいだろうコースですが、いきなり西ノ又沢の渡渉が必要です。融雪期や大雨の後などは水かさが増して渡れないという情報に、果たして無事に渡れるのか戦々恐々としていたのですが...


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 現在は夏の渇水期らしく、ひとふたまたぎにできるほどの水量でした。これなら難なく行けると安堵して川を渡れば、いよいよ登山開始です。

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山神様。急登区間の初めの方にあります。

 コース前半はキツい歩きが続きます。最初は赤倉又沢に沿った藪っぽく足元の悪いダラダラ坂。一合目から九十九折りで急斜面を登り、稜線上の鞍部に出ると急登が待ち受けます。急登区間は高低差約450m。これぐらいでなくっちゃ登った気がしないぜと息巻くのはいつもどおりですが、やはりゼイゼイと息が上がるのもいつもどおりです(おい)。途中山神様の碑があるので、道中の無事を祈念しておきましょう。
 かくて急登を登りきり、1111mピークにたどりつけば前半は終わり。この渡渉から急登に至る区間が最大の難所でした。

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1111mピーク付近のブナ林。登るほどあたりは爽やかに。

 うって変わって中盤はゆるやかな登りが続きます。あたりは爽やかなブナ林。キツい前半に比べたらボーナスステージみたいなもんです(おい)。ところどころ、周囲の展望が得られそうな場所もありましたが、この日はガスっぽく、眺めはさっぱりでした(泣)
 六合目にあたる越途にて、根ノ崎口から登る大又コースと合流すれば、あとは西に向かって山頂まで進むのみです。七合目付近まで来ると、木々の間からぼちぼち山頂が見えてきます。

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九合目を過ぎたところにて。盛大な草叢が行く手に立ちはだかる。

 九合目を過ぎると林が切れ、山頂が目の前にはっきりと現れます。ところがまだ油断はできません。山頂手前は草付きこと、急峻で滑りやすい草叢が続くのです。特に九合目を過ぎてすぐのところは、急斜面の際の登山道を覆うように草叢が張り出し、ただでさえ狭くて急な足の置き場がますます心細いことに。足を踏み外せば神室連峰東側の険しい谷に真っ逆さまだぜとビビりながら進むことしばらく、いよいよ神室連峰最高峰に到着です。

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小又山山頂。トンボや蝶が乱れ飛んでた。

 山頂に着いたときの天気はそれなりでした。曇りがちであまり遠くは見通せません。さらに遠くの空からはゴロゴロいう音が聞こえてきます。これは長居できねぇなと、湯を沸かして赤いきつねでかんたんな昼餉にするうち、かろうじて雲がひらけ、先日登った火打岳やその向こうの新庄の盆地などがおぼろげに見えました。

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かろうじて開けた光景。左の方のボコッとなっているとこが火打岳。

 気づけばだいぶ曇っていました。天気が崩れる前に下山しようと、昼食を片付けた後は急ぎ足で来た道を引き返します。そして登山口が近づき、あとは西ノ又沢を渡るだけというところで雷が鳴りだし小雨がぱらついてきたので、大慌てで車に乗り込み、間一髪で山を後にしたのでありました。

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八合目付近から見る神室山。雲が切れてなんとか拝めた。

 杢蔵山八森山神室山火打岳に今回の小又山と、これで神室連峰の主立った山にはひととおり登ったことになるでしょうか。同じ神室連峰でもそれぞれに違った面白さやまた登りたくなる魅力があります。次は縦走か天狗森あたりに行かねばならないか(汗)


 いつものコースタイムは以下のとおりです。どうぞご参考に。


8:58/登山口・西ノ又沢徒渉地点-9:10/赤倉又沢渡渉地点-9:30/一合目-9:42-9:45/鞍部-9:53/二合目-10:00/山神様-10:43/1111mピーク-11:15-11:21/六合目・越途-11:28/七合目-11:56/九合目-12:13-12:53/山頂-13:05/九合目-13:27/七合目-13:35/六合目-14:02/1111mピーク-14:35-14:42/山神様-14:46/二合目-14:50/鞍部-15:00/一合目-15:15/赤倉又沢渡渉地点-15:22/登山口

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途中の木にぶら下がってたシャツ。誰かが忘れたのかな。