何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

葉山に登ってきた今度は十分一峠から

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 ここしばらくぐずついた天気が続いた上、今年はまだ一等三角点も見ていなかったので、久方ぶりの晴天逃すまじと、おなじみ葉山に行ってきました。もっと天気が良ければ火打岳とか月山とかもかんがえたんですが、朝まで雨降りだったうえ、けっこうくもりがちだったので、間を取りました。
 今回選んだのは永年気になっていた十分一峠コース。先月の大雨以来通行止めが続いていた十分一峠が再開通したというので、その様子見も兼ねての選択です*1


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 十分一峠コースはそのとおり、十分一峠から登っていくルートです。十分一峠手前から伸びる葉山林道終点が登山口。葉山登頂最短ルートとして知られますが、取り付きまでが非常に行きづらいので結果どっこいどっこいです(おい)。
 葉山林道の入り口はそれこそ何度も見ていながら、通るのは今回が初めて。先日新車(違)になったDJEBELとともに、満を持して乗り込みます。林道は崩れて通れないことも多いゆえ、相当にタフなダートを予想していましたが、意外や意外。おもった以上にフラットで整備されており、DJEBELならなんの問題もなく通れました。若干ガレている場所もありましたが、杢蔵山隣の三角山に至る林道と比べれば、容易に通れるレベルです。永松林道もこれくらい整備されてればいいんだけど(おい)。
 ともあれ林道を5キロほど分け入ったところで車道はおしまい。終点にDJEBELを停め、さっそく登山開始です。


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 今回のスタートは遅めの11時ちょい過ぎ。登山口から奥の院まで約1時間というコースタイムの短さと、天候の回復を勘案したゆえです。昔の案内書では「コースタイムの短さ以外は見るところがない」と言われてますが、なかなかどうして、広がるブナの美林などちょっとしたものです。
 えげつない急登もなく、道もおおむね明瞭ですが、登りはじめて5分くらいのところの岩だらけの沢を登るところが分かりづらく、「開始5分で撤退かよ!」とうろたえました(おい)。登山道の続きは岩場を少し登ったところ、右手にあります。そしてブナ林の先には、倒木が派手に道を塞いでいる場所もありまして、抜けるのに少々難儀しました。


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 登りはじめて40分ほどで「まっと沼」到着。ここからはしばらく平坦な道が続きます。ここまで来ると、ぼちぼち奥の院と山頂が見えてきます。ブナ林は切れ、かわりに現れるのはナナカマド。あと一月もすれば、鮮やかな紅葉が拝めるのでしょう。「どうだん坂」と名づけられた急登を登りきれば、見覚えのあるトンボ沼に到着。ここからひと登りすれば、毎度おなじみ奥の院です。


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 今回の目的は一等三角点を拝むことなので、さらに歩いて山頂を目指します。付近がガスっていないか心配でしたが、さいわい道が隠れるようなことはなく、稜線も見通せます。かくして12時17分に山頂着。雲がなければここから月山や朝日連峰なども見えるのですが、残念ながら今回はさっぱり見えませんでした。
 しかしそのかわり、ふもとはなかなか明瞭に見渡すことができました。富並川源流の森の向こうには北村山の盆地が広がります。奥の院にとって返せば、雲の下にはるか庄内平野まで望めました。
 13時少し前に奥の院出発。難所らしい難所が少ないため下りははかどって、13時34分には登山口到着。そこから林道を下って十分一峠に出たのが14時でした。
 その道中、登山客のものとおぼしき車は2,3台ほど見かけました。取り付きはさほどよくないはずなんですが、そのコースタイムの短さゆえか、ここから山に入っている人はわりといるようです。


 葉山登頂はこれで4回目。そのたび違うルートを選んでます。残るはシャムコースと畑コース。奥の院で会った先客のおじさんによれば、新緑の時期の畑コースはすばらしいとのこと。次はこちらを試してみようと企んでます。


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 ところでこの日は山で遭難者が出たそうで、峠付近は捜索隊の人や車の姿も目立ちました。なんでも行方不明になったのは寒河江方面のお坊さんだそうで、車だけは発見されたとのこと。山ノ内コースにある「座禅石」がお気に入りでそちら方面に行ったかもしれないと、もし見つけたら連絡をくださいと頼まれましたが、幸か不幸か荒井は見つけられませんでした。
 十分一峠コースの入り口では、今年の初夏にタケノコ採りで山に入ったまま消息を絶った老人の行方を尋ねる看板も見かけました。比較的整備が行き届いた葉山でも遭難事故は起きます。山登りは無事生還しなければならないので、荒井も気をつけねばと気を引き締めました。


 ついでに、道中ではブナの実をけっこう見つけることができました。もしかすると来年あたり、また熊が多数出没することになるのかもしれません。

*1:十分一峠は通り抜け可能でした。少々路肩が崩れた場所こそあるものの、意外と崩れていないという印象で、大きな被害はなさそうでした。