軍の委託を受けた米国学術研究会議による、認知神経科学の新規分野についての報告書は次のように述べている――人工知能にはさまざまなタイプが考えられるが、「もっとも革新的なのは、インターネットを自己の訓練に用いるインテリジェントなマシン」だろうと。オンラインにはあれほど多くの情報があり、しかも絶えず更新されているのだから、「人間のように推論を行なうシステムが実現すれば、その能力を際限なく伸ばしていける」というのだ。米国防総省の中には、『ターミネーター』を見たことがある人はいないのだろうか? これは、『ターミネーター』に登場するコンピューター「スカイネット」でなくて何だろう?自我を備え、他者に依存しない人工知能が、二酸化炭素を吐き出すばかりの人間たちを、自らの存亡に関わる脅威と見なさないはずがあるだろうか?確かにそれは極論だけれど、人間よりすぐれた人工知能が、軍の手によってインターネット上に解き放たれると考えたら、漠然とした不安を抱かないだろうか?
意外と高度な技術発展による人類の暴走を予見して胸を痛め、
荒療治で人類を救おうと試みたりして。