何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

「BLOOD ARMOR」




 またプログラムを打ち終わったのでここでご紹介。今回はログイン85年9月号掲載「ブラッドアーマー」です。
 作者はログイン常連としておなじみ高原保法さん。「ミッドナイトチェイス」「ジャンケンクエスト」「地底大冒険」の人ですな。
 「ブラッドアーマー」の名前は「ミッドナイトチェイス」に隠しメッセージとして現れるので、それで名前だけ知ってました。しかし他の高原作品に比してレビューやスクリーンショットを目にすることが少なく*1、本当に存在するのか疑問になりかけていたところ、親切な方からリストの提供をいただきました。めでたく実在が証明されたというわけです(おい)。


 プログラムはテープ専用で、リスト全3本。どのリストも短めで打ち込みやすく、入力自体はそれほど苦になりません。リストのわかりやすさも高原作品の美点です。






 さておき、本作はARPGです。復活した邪悪な戦士「ブラッドアーマー」を倒し、ブラッドアーマーを封じる白い水晶を手に入れることが目的。ブラッドアーマーが潜む洞窟には手下の亡霊戦士や、あまたの罠が待ち受け、これを突破しなければ目的は果たせません。
 洞窟は縦長で、プレイヤーはこれを下へ下へと下りてゆきます。後の「地底大冒険」に通じるものがありますな。
 ゲームの肝はなんといっても高いパズル性とアクション。洞窟では岩を動かして足場や通路を作ったり、時には落下中の岩を踏み台に別の足場に飛び移るといったアクションも必要で、そこがプレイヤーの頭と腕の使いどころです。
 また、ブラッドアーマーを倒すには、戦闘によるレベルアップも必要ですが、むやみやたらに敵に仕掛けるとかえって体力を失ってハマります。どこでどの敵と戦うかという、長期的な戦略も求められます。






 本作ではセーブができないかわり「ジャンプ機能」が付いています。CTRL+Jキーを押せば、強さはそのままで今いる面の最初からやり直せます。この際倒した敵や拾ったアイテムは復活せず、岩の配置だけが元に戻ります。岩の動かし方を間違えたとか、袋小路にはまった時など、失敗した時のリトライに使うのはもちろん、アイテムを回収する時に多用します。
 また、拾おうとすると袋小路に入らざるを得ない場所が多々あります。こういうところのアイテムを回収するときも、ジャンプ機能のお世話になります。


 敵の配置もよく考えられてます。展開上体力が少なくなるところでは敵の数も少なくなるかわり足場を作るような展開が増えます。さらに近道を敵が塞いでいたりするので、体力に応じて強行突破するか、安全策で行くか選べるところもあります。マップ自体がジャンプ機能やゲーム展開を見越して設計されているのが全く心憎いです。






 クリアの鍵はなんといってもマッピング。どこに何があるかがわかれば、作戦が立てられます。
 最初は「果たして解けるのか?」と不安になりましたが、マップを作って廻り方を考えたら、自力で解けました。このマップデザインの巧みさとゲームバランスの良さには舌を巻くばかり。キャラクターが8x8と小さいのは玉に瑕ですが、ユニークなアイディアと絶妙なゲームバランスという、高原作品の醍醐味が存分に味わえる作品でしょう。
 この場を借りてリストを提供してくださった村上さんにお礼申しあげます。

*1:もっとも、当時の雑誌掲載打ち込みプログラムは、一部の有名作や人気作を除いてこんなものです。