歳末追い込みシリーズ。本日もMファン89年10月号から「KINAKO」です。
そのむかし「キネティックコネクション」というパズルゲームがありました。動く絵のジグソーパズルとでもいったもので、刻一刻と絵が変化するピースを並べ、一枚の動く絵を完成させるというゲームです。もとはソニーから発売されたMSX2用ソフトですが、後にファミコンのディスクシステム版も発売されています。そのFC版の題名が「きね子」でした。
というわけで本作「KINAKO」は、「きね子」の醍醐味をお手軽に再現!...といった趣の作品です。
ピースがバラバラになったヨットの絵が、右から左にスクロール表示されます。ピースを適宜入れ替え正しい位置に並べ直し、絵を完成させましょう。
完成は自己申告制。できたと思ったところでボタンを押します。正しければ要した時間を表示してゲーム終了。間違いがあればまたピースがバラバラになって最初からやり直しです。並べるうちに何となく正解っぽくなってきますが、正しく並べていないと、必ずどこかに絵の崩れる個所が現れます。完成させるためには絵を注意深く観察することが肝心です。
MSX-BASICの2画面プログラムですから、中身は「きね子」よりもぐっと簡略化されています。絵自体は一枚絵がスクロールするだけでアニメーションはしませんし、オリジナルに存在したピースの上下反転といったコマンドはありません。何よりオリジナルは自分でピースをはめていくのですが、こちらはピースがあらかじめ敷き詰められた状態で始まり、任意に場所を入れ替えていくようになっています。それでも十分それらしさが味わえます。
MSX2はBASICレベルでVRAMのページング機能が扱えます。ですから他機種と比べてこんなゲームはお手のものでした*1。ただしオールBASICの悲しさ、操作性はあんまりよくありません。