山登りには欠かせない国土地理院2万5000分の1地形図。磁北線を引いておくと地図読みが楽になります。
方位磁針の指す北は、地球の最北端である北極点の方向ではなく、そこから若干ずれたところです。この方位磁針が指す北を「磁北」といいまして、この磁北の方向を示す線が磁北線です。地形図には、真北に対して磁北がどれだけずれているかも記されてます。西偏角度というやつですな。これを知っておかないと、コンパスを正確に使えません。そこで地図にあらかじめその角度だけ傾いた線を引いておけば、磁針の北と真北を混同することがなくなって、何かとコンパスが使いやすくなるのです。
角度を分度器で測って引いてもいいのですが、三角関数のtanを使うと分度器なしでもより正確なプロットが可能です。地図の東端を底辺とした場合、隣辺の長さがわかれば、頂点の一つが西偏角度となる直角三角形の斜辺(=磁北線)が図示できるという理屈です。
しかし何度も手計算するのが面倒なので、西偏角度を入力すると自動で隣辺の長さを計算してくれるプログラムを組んでやりました。MSX-BASICで(おい)。Windows上で動くMSXエミュレーターは、プログラム電卓がわりに使うのにもうってつけなのです。
長さがわかる理屈自体はそれほど難しくはありません。しかしMSXの三角関数は、角度をラジアンで与える仕様なので、ラジアンに変換する処理で手こずりました(おい)。久々に基礎解析の教科書のお世話になったぜ。
こんなプログラムを組まずとも、世間には同等の計算ができるサイトもあるのですが、こういうものは自分でかんがえてやってみた方がおもしろいのです。
もっと手を加えれば、角度に応じた隣辺の長さを数表として示すプログラムなんかも作れるのですが、そこまでやるほどの気力はないので、これで十分ということにしときます。