
年末になると追い込みでプログラムネタが増えます。というわけで今回もポプコム85年10月号から「バトルズ」のご紹介。

ぱっと見はウォーSLGです。プレイヤーは司令官。4人の闘士を指揮して敵国の闘士を殲滅し、城を落としましょう。戦場は8x9の広さで、平地・砂漠・湖等の地形があります。ゲームはなんと一人用。コンピューターを相手に一人でプレイできます。

ゲーム進行にはルーレットを使います。移動時はまずルーレットを回して、出た目の数だけマスを移動できます。ただし砂漠は移動コストが高いとか、湖は通れないといった制約があります。
敵と同じマスに停まると戦闘発生です。ここでもルーレットを回し、敵より出た目が大きければ勝利です。小さければ負け、同じだったら相討ちです。負けた闘士は退場となります。
敵闘士を全て倒すと、城に攻め入れるようになります。攻め込む闘士を決め、やはりルーレットの大小で勝敗を決めます。勝てば城攻め成功。負ければ次の闘士を送り込みます。負け続けて送り込める闘士がいなくなればドローです。逆にこちらの闘士を全て失うと、同様に敵に攻め込まれます。
一つのマップで決着が付くと、次の戦場に移るか、終了するかを決めます。戦場は全部で5つ。5戦全てを終了すると、結果発表をもってゲーム終了となります。

正直、「ウォーSLG」としてはお粗末です。敵の思考ルーチンはあってないようなもの。地形の違いはほとんど戦闘に影響を及ぼしません。何より勝敗は全てルーレット次第。言わば勝ち負けがほぼ「乱数」で決まってしまいます。戦略や戦術を競えるような造りではありません。せっかく地形があるのなら、戦闘時に有利不利になるとか、闘士によって地形に得手不得手があるとか、それくらいのことはやってもよいとおもうのですが。また、敵を全滅させなければ城攻めできないという仕様も、展開を冗長にしています。
移動をやりなおせないのも考えモノ。どこに闘士を移動するかはカーソルを動かして指定するのですが、移動を確定する前であっても、一度動かしたカーソルはアンドゥやキャンセルができません。間違った場所にカーソルを動かしてしまってもやり直す方法がないのは、どうかとおもいます。

一方、ウォーSLGではなく、小学生の頃ノートの切れっ端とえんぴつでやった「戦争ゲーム」のようなものだと捉えると、なかなか悪くありません。敵の城を落とせば終わりとか、ほぼ乱数次第とはいえすぐ勝敗が決まるのには明快な良さがあります。造りの悪さや冗長さ、底の浅さ、UIの作り込みの甘さといった大きな問題は数あれど、双六感覚で手軽に一勝負できるウォーゲーム、として磨きをかければ、なかなかよい物になる可能性を感じます。
ところで本作をblueMSXで実行すると、文字表示が一部乱れます。原因はエミュレーターのバグに由来するもの。blueMSXでは、グラフィックモードでTAB関数の挙動が正確に再現されないようです。webMSXでは正常に動きましたのでどうぞご参考に。
それとSCREEN0モードから起動すると、初期設定時にエラーが出て止まります。SC0モードではグラフィックファイルが開けられないことに起因する不具合です。冒頭の「SCREEN,1,0」を「SCREEN1,1,0」に訂正すれば直せますのでご参考に。MSX2のSET SCREEN命令でSC0をデフォルトに設定してたりするとこの症状が現れます*1。
ところでこのゲーム。いちおう設定があります。24世紀の地球では地球破滅の危機を避けるため兵器の使用が禁止され、国家間の戦闘や紛争は、両国の代闘士による兵器を使わないバトルで決着させるようになったのだとか。
例によって今日は聖誕節前夜。今日ぐらいは世界が平和でありますように。そして子供らに明るい未来を。
*1:てか荒井が引っかかった(おい)