何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

歳末小プログラムまつり

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 先日超大作「ミネルバの城」を入力した反動で、ここのところ短いプログラムばかり入力してます。さらにMファンのプログラムはOCRで取り込みやすいので、ここ数日でさらに6本ばかり入力が完了してしまいました。というわけで今回も短いプログラムのご紹介です。


 まずは「チョロBURNER」。セガアーケードゲームの超名作「アフターバーナーII」に感動した作者さんが、MSX2の1画面プログラムでそれを再現しようと作られた鑑賞作品です。さすがにMSX2の1画面にABIIを詰め込むのは無理なので、敵をロックオンして撃墜といったことは省略。水平線がぐりんぐりんと回る飛行感覚をどうにか再現しようと苦心されたようです。ミソはMSX2お得意のカラーパレット切り替えによるアニメーション。水平線をぐりんぐりん回しつつ、バーナーをふかして猛スピードで飛び去る感覚が不思議に気持ちよい一品です。


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 お次は「燃えろ!中畑清」。中畑さんは現在は解説者や監督として活躍されてますが、この作品が掲載された頃はまだ現役の選手でした。ともあれプレイヤーはバッターとなり、ピッチャーが投げる打球をひたすら打っていきます。1画面の8x8ドットキャラにもかかわらず、ピッチャーに投球モーションがあったり球種や球速が変わったりと、ツボを心得た作り。全33球を打ち終えると成績が表示されます。打率が2割から3割に落ち着くのがわりとリアルですな。シンプルな野球ゲームながらデフォルメが非常にうまくて、実行するとつい何度もやってしまいます。


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 「PIERROT」は一風変わったアクションゲーム。カーソルキーの右と左を交互に押して足場を作りつつ、画面外にはみでたり、すでに出した足場にぶつからないよう、飛び跳ね続けます。最初画面上にはなにもありませんが、生きのびるほど足場が増えていきます。その分難しくなっていくわけですが、一方でどんどんカラフルになっていく様子が見た目に楽しいです。妙に金属的な効果音もまたいい味出してます。


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 「ミニマラソン」は1画面でフルマラソンを再現した意欲作。ペース配分を考えつつ、42.195キロを走り抜きます。完走するだけならかんたんですが、もちろん狙うのは好タイム。標準スコアである200分を切ろうと思うならそれなりの作戦が必要です。マラソンはなかなかゲームにしづらい素材だと思いますが、補給とペース配分に簡略化したところが肝でしょう。これもデフォルメがうまい作品です。


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 「JAMPRI」は横スクロールアクション。敵キャラ「ウルハリ」とやなキャラ「○」をかわしつつ、画面下に落ちないようにしながら跳び跳ねまわり、スートを集めていくゲームです。マイキャラ「緑のやつ」は自らジャンプできません。スートを取ったときのみジャンプします。ですから絶えず取り続けないとあっというまに墜落死。取り続けてもすぐウルハリや○にぶつかったりですぐ死にます。とにかくすぐ死ぬゲームですが、マシン語を使っているので横スクロールがもたつきません(おい)。


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 最後の「流れ作業」は実は2画面プログラム。これも不思議なゲームです。画面右から流れてくるハニワや一つ目人形やらを仕分けていくのですが、高速すぎてゲームになりません。ゲーム中の効果音で言い表せば「ダンダン・ダッダッダッダッザザザザザザザザ....」といったあんばい(おい)。その不思議なノリやシュールなキャラクターゆえか、編集部はある種の環境ソフトとして捉えていたようで「5分続けられたら頭がトリップするんでないか」みたいなコメントが付けられています。
 誌面ではスピード調整ができるようにするMODも紹介していまして、適用すると多少まともに遊べるようになります。


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 ところでこのプログラム、意味不明なキャラクターの羅列で構成されています。これはマシン語データをキャラクターに置き換えたもの。短いリストにマシン語サブルーチンを詰め込む方法として、Mファンでよく見られた手法です。Mファンはダンプリストを掲載しておらず、また、リストの長さによって採用枠を変えていたため、このような技法が発達したものと思われます。
 リストは短くできますが、可読性や入力しやすさは最悪。このプログラムではOCRが使えず、blueMSXを立ち上げていちいち手で入力した上、入力ミスを探すのにえらい苦労しました(泣)


 出典は「流れ作業」が88年8月号、それ以外は同年9月号です。9月号には他に「さらなんだ」「まものクエスト」なんて作品も載ってたりしますが、こちらは当時入力・DL済みなので割愛いたします。


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