何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

続・刈田峠に行ってきた




おとといに引き続き、また刈田峠に行ってきました。
今度の目的は宮城側の探索で、ついでに前から気になっていた割に
入ったことのない遠刈田温泉と青根温泉に入ってこようというものです。





刈田峠の南で大分水嶺を越えれば、本格的な下りの始まりです。
山形側は晴天だったにもかかわらず、大分水嶺を境にいきなり空には雲がかかり、
見通しの利かないガスの中を下る羽目になりました。
夏場は特に日本海側の暖かい空気と、やませ由来の宮城側の冷涼な空気が
大分水嶺でぶつかるおかげで、急に天気が変わるわけです。
合羽が必要なほどではなく、走る分には特に問題なかったのですが、
ガスのおかげで大黒天や駒草平といった景勝地がろくろく見えなかったのが残念です。





宮城側も道は非常に整備されているため、やはり走る分には何も困ることがありません。
かくして峩々温泉への分岐まできたところでネタ撮りはおしまいにして、
途中不動滝や三階の滝など見物しつつ、遠刈田温泉へと向かいました。
ネタ撮りでは頻繁に立ち止まりながら走ることになるため、けっこう気疲れします。





遠刈田温泉では共同浴場「神の湯」に入った後、近くにある大八精肉店で
豚メンチを食ってきたのですが、遠刈田の温泉街は町歩きが楽しめる仕掛けが
あれこれと用意されていて、また行きたいと思わせるものがありました。
何も派手な歓楽街があるわけではありません。
いい湯があって、人の往来があって、地元の方御用達の商店が元気に営業しているという、
当たり前の光景にこそ、旅人はその土地の魅力を垣間見るのです。





青根温泉では共同浴場「じゃっぽの湯」に入ってきました。
このあたりにさしかかると小雨がぱらついて、
少々気が滅入る天気になっていたのですが、温泉に入った勢いで
「まぁ、これぐらいなら強引に突破しちまおう!」と、
そのまま笹谷峠を越えて山形まで戻ってきました。
青根温泉は古賀政男が「影を慕いて」の着想を得た記念の地であるのですが、
古賀政男は自殺するつもりでいたのをこの地で憂さを慰められ、
死ぬのを思いとどまったという逸話があります。
温泉は神経症に効能があるそうですが、古賀政男も温泉に励まされたんでしょうかね。