何とか庵日誌

本名荒井が毒にも薬にもならないことを書きつづるところ

栗駒山に登ってきた

名残ヶ原から見る栗駒山。ここから歩いて1時間少々です。

GR III。PhotoShop Elementsで縮小


 登ってきた山の話その2。月山森に続いて、今度は栗駒山
 栗駒山奥羽山脈の一座です。秋田・宮城・岩手3県の県境にあります。ここ数年、から眺める機会が増え、遠望するうち例によって、あちらにも登ってみたいという欲求が湧いていたのでありました。「神の絨毯」と称えられる見事な紅葉でも評判なことを知ったのは、ごく最近のこと(おい)。
 

栗駒峠ふたたび。前回はなんか人がいっぱいいて素通りしたんだ…

 しかし栗駒山奥羽山脈の奥深いところにあります。21年前、バイクで一度栗駒峠を通ったときは、家からけっこう時間がかかったようなおぼえがあります。ですので行くまでが遠くて、時間を取らなければ登れない山、と認識していました。
 ところが先日改めてアクセスや所要時間を確かめたところ、道を選べば荒井の家からでも余裕を持って日帰りできるらしいことが発覚。とりあえず行けるかどうか確かめてみようということで、さっそく登りに行ってきたのでありました。

須川温泉を出発。そういや21年前に走ったときも、秋の今頃だったな。

 登山口は数あれど、今回は荒井の家から最も手軽に行ける栗駒峠・須川温泉からのルートを選択。最もメジャーないわかがみ平よりも1時間以上早く山に入れる上、車両通行規制がないのが決め手です。21年ぶりの栗駒峠だぜ。
 今の時期は紅葉の真っ盛りで来訪者が多いです。8時半に到着したときには、300台駐められる駐車場の4分の1くらいが埋まってました。

登山道の様子。無数の靴跡に山の人気を知る。

 天気はぱっとしませんでした。天気予報はくもりで回復基調。ときどき晴れ間も覗くので、ワンチャンあるかもと期待しながら登山道に入ります。登山口は須川高原温泉の裏。あたりは温泉が豊富に湧き出し、山の至るところから湯気が上がり、硫黄の匂いが鼻を突きます。栗駒山は活火山です。山腹にある昭和湖の付近は濃厚な火山性ガスが漂うおかげで通行禁止となってました。

産沼。コース名の由来。

 名残ヶ原の湿原を縦断し、三途の川なる沢を渡れば、本格的な登山道に入ります。しかしさすが人気の栗駒山。道は非常に良く整備され、えげつない急登や岩だらけの難所というものがありません。鳥海山に比べれば遊歩道みたいなもんです(本当かよ)。

天気は一進一退。わずかな晴れ間に一喜一憂。

 そのかわり足下は非常に良くありません。路面は泥。ここ数日の雨ですっかりドロドロで、表面には無数の靴跡が残っています。気づけば靴もズボンの裾もすっかり泥まみれでした。ゲイターが欲しくなったぜ。
 登りやすい急登を登り、産沼を経由して山伏稜線に上がり、最後にひと登りすれば、1627メートルの山頂に到着です*1

山頂に着くなり暴風雨。「神の絨毯」は一瞬で消えました(泣)。

 しかし山頂に着くなり天候が悪化。いきなり暴風雨と化しました(泣)。噂の「神の絨毯」を拝もうと少し宮城側に下りてみると、たちまちガスが広がってきて、展望は一瞬で消えました。風も出し抜けに強く吹き付けます。おかげで雨避けのザックカバーが吹っ飛びました*2。道中、時折晴れ間も覗くことがあったので、しばらく待てば回復するだろうかと期待して、合羽を着込み*3、山頂の片隅に身をかがめ、おやつを食べながら小一時間待ってみますが一向に回復する気配がありません。それどころかときどき白いものまで混じります。なんだよ!今日はくもりの予報じゃなかったのかよ!(おい)

山頂の様子。こんな荒天にもかかわらず続々と登山客がやってくる。

 驚いたのは、こんな荒天にもかかわらず、山頂に人が絶えないことです。次々と登山客がやってきては、あぁ、今日は天気が悪くて残念だな、神の絨毯は来年にお預けね、これが山というものさ、等々口々にしながら、でっかい標柱の前でやけくそ気味に記念撮影をしてたりします。栗駒山の人気ぶりを目の当たりにするとともに、山野郎山女の性というものをおもい知るのでありました。まぁ、荒井もその一匹なんだけどな。
 そのうち身体が冷えてきました。ガタガタブルブルと震えが止まらず、予定の時間も近づいてきたので、そろそろヤバいと下山することにしました。

秣岳を眺める昼餉の後、須川湖を訪ね大噴湯を見物する。
山に登らずとも周辺は見どころで盛りだくさん。

 山頂で小一時間過ごしても、時間にはまだまだ余裕があります。登山口には人気の温泉もあれば、食事ができる宿もあります。須川高原温泉でゆっくり湯に浸かり、眺めの良い栗駒山荘の食堂で稲庭うどんの昼食。さっきまで山頂でガタガタ震えていたのが嘘のようです。その後軽く須川湖と小安峡の大噴湯を見物することまでできました。

いちおう山中の紅葉の画像もいくつか貼っておく

 今回の目的はとりあえず栗駒山に登れるか確かめることでした。実際に行ってみると、はるかに予想以上に行きやすく、気軽に登りに行けることが判明しました。この21年の間、すっかりご無沙汰していたのをもったいなく感じたほどです(おい)。21年前、栗駒山はこの目で見ていたはずなのですが、時を経て、ようやくしかと見えるようになったのだとおもいます。
 「神の絨毯」も山頂からの絶景もほとんど拝んではいません。夏は高山植物も期待できるということです。てっぺんから鳥海山も見てみたい。これは今後もちょくちょく登りに行けということなのか。次は秣岳あたりから登ってみようと企んでます。
 それにしても癪に障るのは、下山後急に天候が回復し、あまつさえ翌日晴れやがったこと!(号泣)


 いつものコースタイム。おもしろかったけど悔しいぜ!(おい)


8:46/須川温泉-8:55/おいらん風呂-9:02-9:05/展望台-9:12/名残ヶ原-9:16/苔花平-9:32/三途の川-9:57/産沼-10:29-11:30/山頂-12:03/産沼-12:25/三途の川-12:38/苔花平-12:44/名残ヶ原-12:49/ゼッタ沢コース分岐-13:00/須川温泉

昼餉。栗駒山荘の稲庭うどん
山荘は秋田側なので地元名物を供している。

*1:ちなみに大分水嶺で一等三角点な

*2:飛ばされたことを教えてくれた登山者さんと、拾ってくださった行きずりの登山者さん、どうもありがとうございました!

*3:これで20年物の合羽が本格的にお陀仏となりました。また新しいの買わないと…(泣)