GR III。PhotoShop Elementsで縮小
ここのところ暑い日が続いています。しかも変な疫病もまたぶり返しているというので、こんなときは人混みを避けつつ涼めるところにでも行こうぜと、また蔵王に登ってきました(おい)。しかし今回はこないだのエコーライン経由ではありません。かねてから坊平から熊野岳に登ってみたいとおもっていたので、その願望を叶えてきました。
今回登ってきたのはエコーラインの中腹・標高約1000mほどのところにある坊平より、山頂に連なる中丸山の尾根を伝って熊野岳に至るコース。坊平にある山交グループのスキー場・蔵王ライザワールドがスタートです。いつもならこれから登る中丸山がゲレンデの背後にでーんと見えているのですが、この日はガスっていて全然見えません*1。
ゲレンデの真ん中にはお清水の森と呼ばれる林がありまして、その名のとおり清水がこんこんと湧く水場があります。登山道に入る前にここで水を補充しておきましょう。
ゲレンデの隅から登山道に入ると、いきなり谷を下ります。底を流れるのは仙人沢。谷にかかる吊り橋から覗きこめば、目もくらむような高さです。そう遠くない過去に、ハイキングに来た子供会の滑落事故で死に人2人が出た現場がまさにこのあたりです。橋の前後は崖っぷちをきわどく進む道が続き、大人といえども油断ができません。犠牲者に哀悼の意を捧げつつ、足を滑らせたら俺も谷底まで真っ逆さまだぜと、気をつけながら登っていきます。
ここからしばらくは急な登りです。細かい九十九折りで高度を上げていくと、ブナ林が現れます。このブナ林がちょっとしたもので、目を楽しませてくれました。やがてブナ林が切れて灌木帯にさしかかるとあたりが開けてきますが、やはりガスっていてあんまり見通せません。かくてしばらく登るうちに、経由地中丸山に到着。ライザから約1時間半でした。距離のわりに時間がかかったのは、急な勾配が続くからでしょう(泣)。
ここからは勾配もゆるやかで、歩いて楽しい区間が続きます。雲にまみれているものの、あたりの山もなんとなく望めます。左手のロープウェイがあるところは地蔵山。目の前のトドマツの森の向こう、ガスの合間に見え隠れしつつ、歩くほどどんどん間近に迫ってくるのが、目指す熊野岳。何度か登って実際こないだも登ってきたばかりですが、気分が上がるというものです。
灌木帯も途切れ、そこかしこにコマクサの咲く急なガレ場を登りきれば、そこが山頂です。
山頂に着いた頃にはガスも晴れ、そこそこ眺めも広がりました。地蔵山に至る尾根はくもり無く、ふもと山形の街並みもしっかり見えます。てっぺんの眺めのいいあたりで昼餉にし、軽くお釜を見物したところで下山開始。帰り道では往路では見えなかったエコーラインや南蔵王の山並みも見通せます。中丸山からは、仙人沢を挟んだ向かいにライザのゲレンデと建物が間近に望めました。
中丸山のルートはまさに登山道です。人気観光地である蔵王であっても、あまり人の姿がありません。ロープウェイやエコーラインを脇目に静かな山道で蔵王を目指すのは、なかなか愉快な気分でした。
コースタイムは以下のとおり。中丸山にさえ登ってしまえばあとは楽です。帰りは方々で双眼鏡を取り出して風景を見物したので遅めです。
9:02/ライザワールド-9:12-9:17/お清水-9:19/登山口-9:25/仙人橋-9:47:つばめ滝展望地-10:27-10:32/中丸山-11:16/ガレ場-11:30-12:42/熊野岳山頂-12:50/お釜-13:07/斎藤茂吉歌碑-13:22/ガレ場出口-14:08/中丸山-14:40/つばめ滝展望地-15:00/仙人橋-15:07/登山口-15:10/お清水-15:18/ライザワールド
*1:画像は帰りに撮ったやつです